≪世界は常に変化している≫チーズはどこへ消えた?(スペンサー・ジョンソン)
名作中の名作、ベストセラー中のベストセラー。
チーズはどこへ消えた?
※2020年7月現在、Kindle Unlimited対象です。
いわゆるビジネス本ではない。人生の本だ。
単純なようで、ハッとする。単純だからこそハッとする。
読んだ人は必ず、自分は誰なのか?を想像するだろう。
ヘムなのか?
ホーなのか?
スニックなのか?
スカリーなのか?
できれば、ヘムでないと信じたいと思う。でも、我々はヘムなのだ。そして、時には、ホーであり、スニックであり、スカリーでもある。
これは、単純に考えることしかしないネズミのスニックとスカリー、複雑に考えることができる小人のヘムとホーが、チーズステーションを探していく物語だ。
私たちは、難しく考えることができる。思考こそが、人間を人間たらしめているのかもしれない。
ただ、単純なことを難しく考えて、考えることで、自ら課題を大きく難解にし、臆病になっているのかもしれない。
チーズとは、私たちの追い求める”何か”である。
チャンスや名声、愛や幸せ、色々なものに形を変える。いつ、どこに、だれが置くのかわからなければ、今、目の前のチーズが最大なのか?世界にどれだけのチーズがあるのか?だれにもわからない。
そして、それぞれ好みのチーズがあって、それは、変化していく。
注意深く目の前のチーズを観察し、変化をとらえて、自分が変わらないといけない。
私たちは変化を恐れて、ヘムのままでいるのか?
過ちに早くに気が付いて、ホーになれるのか?
それとも、スニックやスカリーのように、恐れずに目の前の単純な課題に向き合うのか?
これは、人生の課題であると思う。
たとえば、「システム思考」の複雑に絡み合った目の前の氷山の一角にいかに向き合うか?という視点や、「アドラー心理学」におけるあらゆる行動には目的があるという視点、さまざまな学問の教訓ともいえる一冊であった。
たった、1時間弱で読み終えることができる本書は、アフターコロナで変わりゆく社会に生きる私たちに響くだろう。
だって、人生は常に変わり続けている。
会社での立場、恋人や夫婦の関係、自分の大切に思うのも、楽しいもの、社会も自分も、今のままが永遠に続くことはない。
自分にとってのチーズを追い求めて、いかに動けるか?動かないのか?常に選択することは自由だ。
あとは、どれを選ぶかだけ、その一歩の勇気を、本書がおもいださせてくれた。
私は、ヘムであった自分を許しながらも、ヘムでない自分になりたいと思う。
だって、世界は常に変化しているから。
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