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焼津にて、ライブと八雲とミナミマグロ

先日、初の全国リリースを迎えた静岡県焼津市の公務員シンガーソングライター・ユニットくじら座の相方ケント氏こと牧野憲人くん(ここまでの情報量が多すぎる)が、焼津市で記念ライブ開催ということで、応援で焼津を訪れた。

応援って言っても、サポート演奏とか会場設営とか物販とかじゃなく、チケット代払ってライブを見て焼津市内のホテルに泊まって観光して焼津市にお金を落とすという応援。市の職員にとって、これ以上ない応援であろう(自画自賛)。

情報量多いついでに、新しい読者様や初めて見る方のために説明させてください。くじら座ってのは、静岡市駿河区のゆるキャラ・トロベーの公式応援ソングを提供させて頂いたりとか、スガシカオさんのツアーのオープニングアクトのオーディションに選出して頂いたりとか、コロナ前にけっこう積極的に静岡県内で活動していたユニット。ちなみによく訊かれるけど夫婦でも兄弟でも何でもない。情報量の偏り。

そんなこんなで焼津に過去にも何度か訪れたことがあるんだけど、やっぱり何と言ってもお魚。特に鰹とミナミマグロ!今年2月にも訪れていて、ちなみにその時の川直さんでの藁焼き体験の様子がチラシに載りました。私もさりげなく焼津に進出しています。

この焼いてる人は私。深層水ミュージアムに置いてあった。

ちなみに川直さんで体験して、出来立てでその場で食べる鰹の藁焼きはまじでおいしい!!!

今回は、チラシが置いてある深層水ミュージアム近くの「うみえ〜る焼津」という施設の中にある「まぐろ茶屋」さんにてミナミマグロ中トロ丼を頂きました。私は誰が何と言おうとマグロは中トロがいちばん好き!!!

美しいグラデーション
地酒も楽しめます

中トロ愛はこちらでも。

時を経て、今回は中トロ一択で!ストレートな中トロ愛。

おいしいお魚を食べるなら、小川漁協魚河岸食堂もおすすめです。おがわじゃなくて、こがわ、と読むので注意。

おいしいお魚が楽しめるので大好きな焼津、もう一つ私の大好きなスポットがあります。それは小泉八雲記念館。

数年前に訪れて、彼の人生や作品の背景に触れて、ずーーーーーっともう一度行きたいって思ってた場所。北国にもルーツがあり、自然や目に見えないものへの畏怖、奥様へのお手紙、黒猫に「火の子(漢字のニュアンスはこれであっているだろうか)」と名付けたこと、彼のフィルターを通した世界に私のDNAが震える。

泳ぎが得意な八雲は焼津の海がとても気に入っていたそうで、夏休みに毎年焼津を訪れていたことでゆかりの地になったとか。お祭りや燈篭流しなどの文化に興味を持ち、着物や草履を身につけ、漬物などの和食を食していたそう。「漂流」という作品は、焼津で聞いた遭難の体験談を元に書かれている。

ところで昔は、トロなど魚の脂の多い部分は価値が低かった。もしも八雲が今の時代に生きていたら、中トロを食べてどう思っただろう??私たちの嗜好に歩み寄ってくれただろうか??そんなことに思いを馳せる。

私自身何度か焼津を訪れた後「焼津にて」を改めて読むと、その観察力と解像度の高さ、また私たちが当たり前だと思っていた生活の数々に対するニュートラルな表現に驚かされる。

日本ではどの海岸地方にも___同じ地方でも漁村が違えば___その地方もしくはその漁村特有の形をした船や漁具がある。(中略)この驚くべき多様性は、ある程度、地方の伝統を尊重する気風に___数百年にわたって先祖代々の教えと習慣を改変せずに保持する賞賛すべき保守主義によるものかもしれない。けれども、所が変れば漁法も変るという事実は、もっと説得力がある。

「焼津にて」上田和夫訳・小泉八雲集より

もう一つ、「焼津にて」の大好きな一節を引用する。

いまは滅んだ幾世代ものあらゆる喜びと悲しみが、数知れぬ諧音(ハーモニー)と旋律(メロディー)となって、われわれのもとへ立ち帰ってはなれようとしない。

「焼津にて」上田和夫訳・小泉八雲集より

なぜ私たちは祖先を敬い自然を大切にするのか、腹落ちする言語化だ。

彼も訪れていた熊野神社に足を運んでみた。

Let's enjoy Yaizu!


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水産系シンガーソングライター牧野くみ
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