高級車ディーラーの営業マンは初対面で雑談もなしに真顔で妻を立ててくる
こんにちは。
牧 菜々子です。
イタリアの車メーカー、ランボルギーニのディーラーに行った時のこと。
営業マンの方は、清潔感あふれる方でした。
夫と私に丁寧にあいさつをしてくれた後、車の説明以外は、口数が少なめ。
ところが…。
夫が席を外した際の、私への一言に、思わずうなりました。
「ご主人はあれこれ迷われているようですから、どんどんアドバイスしてあげてください。」
えっ!私がアドバイス?
「どんどんしてあげてください」?
と同時に、気づきました。
これが、「妻を立てる」ということか。
私に全然知識がないことを、その営業マンの方もわかっていて、にもかかわらず、妻に対しては、妻を立てる。
「車に詳しいかどうかなんて関係ない。とにかく、あなたは、ご主人に助言する立場なんですよ。」とでも言うように、妻の立場の強さを強調するのです。
初対面で、雑談もなしに、真顔で妻を立ててくる。
これが、高級車ディーラーのすごさなのです。
高級車販売の一番の壁は「妻の反対」
夫に、そのことを話すと…。
「そりゃそうだよ。高級車販売の、一番の壁は、妻の反対だからね。
どんなに本人が買いたくても、奥さんが反対したからやめたっていう人は、たくさんいるんだよ。
だから、ディーラーの人も、奥さんには良くしてくれるんだろうね。」
拒否権のある株主には配慮が必要
言われてみれば、株式会社でも、拒否権を持つ株主には配慮が必要なのと同じかもしれません。
過半数はないけど、拒否権(議決権の3分の1超)はある。
そういう株主は、一番大事なところで、決定的な強さを発揮します。
高級車販売でも、「普段は主導権を握っている人」と、「いざという時に拒否権を持っている人」は、必ずしも一致しないことを、常に頭に入れているのかもしれません。
「どんどんアドバイスしてあげてください」
もちろん、普段からご主人にどんどんアドバイスをしている奥さんだったら、「当然でしょ」と思うだけで、効き目はないかもしれません。
そういうタイプの奥さんに対しては、また違う一言をかけているのかもしれない。
言葉は違うのかもしれませんが、おそらく、奥さんを立てる発言をしているのは、間違いないでしょう。
そうすれば、少なくとも、妻の反対に遭うことはない。
そのためだったら、初対面で、雑談もなしに、真顔で妻を立てることも厭わないのです。