ファッション予測が外れた時のこと
こんにちは。
牧 菜々子です。
私には、ファッション予測が外れた経験があります。
「ロングスカートは、2020年まで持たない」と予測したのです。
ところが、2020年に入っても、「ロングスカートはもう古い!」という空気感にはなりませんでした。
ひざ下丈のスカートは、まだまだ流行中です。
ロングスカートがまだ流行っている!
ゆるめのトップスや、ワイドパンツなどの、「ゆるシルエット」が流行り出してからしばらく経った、2017年頃。
このゆとりのある服の流行は、2020年までは続くと予測していました。
実際、このゆるシルエットの流行は、メンズファッションにも波及しました。
ここまでは良かった。
でも、ロングスカートや、ミモレ丈スカート、ひざ下丈スカートは、2020年までは持たないと予測していたのです。
ところが…。
2020年に入っても、長めスカートの人気は、衰えることがなかった。
雑誌の表紙は、3誌中2誌がロングスカートだし、ショッピングモールの店員さんも、半分以上が長め丈スカート。
予測が、外れたのです。
予測が外れた理由
ファッション予測が外れた理由。
それは、私が、個人の感覚を優先してしまったからです。
2018年の時点で、私自身が、「最近ロングばっかりだなぁ。ちょっと多すぎない?」と思ったからなのです。
だから、2020年までは持たないだろうと予測した。
でも、トレンドというのは、個人の「気持ち」だけでは動かないものです。
たしかに、流行が終わるタイミングというのは「あんなに流行ったから着にくい」と思う「気持ち」であることは事実。
とはいえ、個人の感覚だけでは、流行は測れないのです。
投資判断と同じ
これは、投資判断と同じです。
伝説の投資家、ジョージ・ソロスは、こう言っています。
「投資判断をする時は、自分の感情よりも、市場の感情を優先する。」
と。
誰だって、自分の感情が、どうしても判断や予測には入ってきてしまうもの。
そこを、切り離し、自分の感情ではなく、市場の感情を優先するべきなのです。
ファッション予測にも、同じことが言えます。
「ロングスカートはもういいかな」という自分の感覚ではなく、ファッション市場の感覚を優先しないと、ファッション予測は当たらないのです。
市場の感情を優先する
ロングスカートの流行がこんなに続いているのは、おそらく、ハイブランドが次の流行を作らなかったことが大きな理由でしょう。
短いサイクルでコロコロ変えても、消費者はついて行きませんし、製作コストだけがかかっていくからです。
だから、次の流行を作らなかった。
そして、消費者の側からしても、次に着たい服が登場しなければ、今までの都合が良い服をやめる必要性はない。
そうやって、ロングスカートをずっとはき続けることになったのです。
それに加えて、「肌を出す」という開放感がやって来ることなく、閉塞感が世界を覆ってしまったことも影響しているでしょう。
これも、「市場の感情」です。
ファッション予測には、個人の感情よりも、市場の感情を優先することが大切なのです。