政体の分類
ここではアリストテレスの政体分類(六政体論)に基づいて説明する。
図を見てもらえれば分かりやすいが、支配者の数、公共の利益にかなう、公共の利益にかなわない。でそれぞれ分類している。
図の上の3つの政体が、アリストテレスが良いとした政体である。王政(basileia)貴族政(aristokratia)国制(politeia)である
**それぞれ簡単に説明する **
王政、僭主政…1人の支配者が、その他の人達を支配する。つまり悪い王や皇帝を僭主と呼ぶ
貴族政、寡頭政…2人以上の少数者が支配。
寡頭政の場合、支配者が3人だと三頭政治(共和政ローマで聞いたことあるとおもいます)、4人だとテトラルキアと呼ぶ。
民主政…多数の貧者による支配。古代ギリシアの直接民主政はこの形。デモクラシーとも訳され、これが理想の民主主義の形だ!と小中高では習うが、アリストテレスはそれを否定する。
国制…寡頭政と民主政を混合したもの。つまり富者と貧者の対立の調停に着眼した政体であり、選挙と抽選を併用することが説かれた。また支配と服従、両方経験した中間階層の役割が重要とされ、この「中間階層の厚さが政治体制の安定の鍵」という考えは、以後の政治学の常識となった。
単に民主主義、デモクラシー賛成!と習ったことを言うだけでなく、そのデモクラシーの祖国の偉人の考えから学ぶことでよりよい政治、アリストテレスの言葉でいうと、中庸の政治が行えるのではないだろうか。
参考文献 『西洋政治思想』宇野重規著