「集中」より「夢中」であれ
井上一鷹さん『深い集中を取り戻せ』
リモートワークがすっかり当たり前となった、今日この頃。
「自宅だと気持ちの切り替えが難しい」と感じたり、「集中しなくちゃ」と無意識に言っていたりすること、増えていませんか?
そんなあなたに、ぜひ一度手に取って頂きたい本が、井上一鷹さんの『深い集中を取り戻せ――集中の超プロがたどり着いた、ハックより瞑想より大事なこと』です📚
株式会社ジンズ執行役員、 株式会社Think Lab 取締役でもある井上さん。
一人で深く考えるためのソロワーキングスペース「Think Lab」をご存知の方も多いのではないでしょうか?
どうせ生きるなら「能動的な人」に
まず、私が印象に残ったのが「集中」と「夢中」の話。
井上さんは、『深い集中を取り戻せ』の中でそれぞれをこんな風に解説しています。
集中:受動的スタンス
⇒所属組織や周りの人間からの要望に応える「外発的動機」を基にした行為
夢中:能動的スタンス
⇒周りからの要請はなく、自分の「内発的動機」に根差した行為
つまり、冒頭で私が述べたような「集中しなくちゃ」と言っているような状態は、受動的スタンスなんですね。
そうではなく、能動的スタンスで「夢中」になることが「深い集中」状態を得るために重要なのだと井上さんは言います。
☑どうせ生きるなら「能動的な人」になれ
本を読んでいて、この言葉がとても印象的でした。
如実知自心から始めよう
「如実知自心(にょじつちじしん)」
これは、「自分の心を如実に知ることが大事」という意味の言葉。
井上さんは、この言葉とともに「『自分が何をしたいのか』を語れない人は、集中ができない」と述べています。
誰かが決めたことを、そのまま能動的にやる人は、爆発的な推進力は持てません。
自分の心を知るプロセスさえ持てば、受け身な人でさえも、能動性を担保することできると、私は思います。
仕事には「やらなければならないこと」も、あります。
会社員であれば、なおさらですよね。
そんな時こそ、「如実知自心(にょじつちじしん)」という言葉に立ち返り、能動的な考え方が大切になるのかもしれません。
☑「会社員」は、限られた責任の中で面白いことに本気で集中できる最高の立場
井上さんの言葉に触れて、自分も会社員である今の環境をフル活用しよう!と感じたのでした。
集中のメソッドは?
さて、今回の本では「集中モード」に切り替えるための様々な環境づくりの技法が紹介されています。
最後に、その中の一つをご紹介しましょう。
☑スタートダッシュは「単純作業で」
井上さんは作業を休むとき、あえて単純なタスクの”中途半端なところ”で中断するようにしているのだとか。
そうすることで、次のタイミングでの仕事が単純作業となり、集中の「立ち上げ速度」がアップするのだそうです。
「集中しなくちゃ」と言う機会が増えたというあなたも、まずはこのメソッドから、仕事に取り入れてみてはいかがでしょうか?
「夢中」を取り戻す、第一歩になるかもしれません。
<追記>朝渋イベント!
朝渋で、井上さんが講演されました🌞
本も面白かったですし、リアル井上さんのお話も本当に面白かったです!
特に、心に残った言葉はコチラ。
✔自分の人生に集中しよう
人が物事に集中できる時間は「1日4時間」という説があるのだそうです💡
そう考えてみると、仕事に集中できるのは人生の中で5万時間程度。
物事を極めるのに1万時間かかると仮定すると、一人の人生で極められることって5つしかないんですね。
今の仕事は、人生の5分の1をかけるものとして、ふさわしいでしょうか?
自由に選べるからこそ、働き方が問われる時代になっているのだと実感した講演でした。