たばこ
タバコを吸う横顔がすき。
それを聞いて思うことは人それぞれだとおもう。
最近よく、自分はタバコを吸わないけれど、タバコを吸う人を見るのが好きなんだよねと言うことが増えた。
べつに、ヘビースモーカーが好きなわけじゃない。
とくに深い意味もないんだけれど、
喫煙者との苦いキスや(おっと、これは少し変態っぽい?笑)
深い夜の月明かりに照らされた横顔が白い煙を纏っている姿なんかが
なんだかエモくてすきなんだよね。
いつかその人と離れる時が来た時にその人の吸っていたタバコを吸ってみたりしてみたいし、
駅前やカフェの喫煙スペースを通り過ぎる時にふと、思い出してしまいたい。
なんか、最近のバンドの歌詞にもよくあるよね笑
こんなこと言う自分の言葉には、時代を超えて根本に植え付けられている(タバコカッコイイ)みたいな思想が少しは溶けているのかもしれない。
タバコの匂いにも好き嫌いはあるんだけど、なんでか人がタバコを吸う姿は絵になるし創作意欲が湧き立つ。
そんなこといいつつ、タイミングなんかによっては、もちろん嫌悪感を抱くこともあるけれど笑
思いつくアイデアは、
全く関係ないことでもなのが不思議なところで、
とにかく、あの時間には
得体の知れない美しさがある、とおもう。
昔から美しいものが好きだ、幻想的な絵や写真、色や景色、世界観、単純明確にわかりやすく綺麗なもの、
美しさのなかに鬱鬱とした感情や陰り、得体の知れない不気味さなんかがふくまれていると、なお良い
あのタバコの煙にはそんな摩訶不思議な世界につなげてくれるなにかがあるのではと無意識に期待してしまっているような。
まぁ、実際タバコには百害あって一利なしそのままで社会全体から消されそうになっている嗜好品なわけなのですが、
もちろん、副流煙もカラダによくないよ?ってよくいわれるし、そもそもタバコ自体がカラダによくない、そんなことはわかっている。
実際私の母は、私たちが小さい頃 父にタバコをやめさせたほどだ、(なので、私の周りでタバコを吸う人はいなかった)
でも、それでも、あの時間は消えて欲しくない。
タバコを推奨するわけでは決してないがあの美しい光景は何かしらの形で残っていってくれないだろうか、
どうか、身体の害になる部分だけ取り除いて
昨今流行っているコロナウィルスの猛威に怯えなくていいように、
肺に悪くないタバコ…
技術は進歩して電子タバコの一部でそんな感じの物も出てきてはいるけど、
しいてはそんなことになってしまった根源のコロナウィルスなんてものが世の中からなくなりますように。
あくまでも、自分のために言っている世界平和ほどこれ以上薄っぺらいものなんてないのだけれど…
とりあえず、よく分からないところに美学を感じられる世の中は無くなって欲しくないなぁと。
日の陰りで線の入ったように見える
コンクリートの床
夏休みの昼寝と飼い猫のあくび
平日の朝の混雑時、皆、目にはとめないが、しっかり立っているように見える満開の桜と花吹雪
寒い冬の夜に白い息を吐きながら仲のいい人と一緒に並んで星を見るために立ち止まって佇む時間や、
冬にする手持ち花火の反射
太陽が沈んでオレンジが建物と街を飲み込んでしまう、あの感傷に浸ってしまうような時間…
そんな夕暮れに溶けていくような色のシャボン玉のきらめき
田舎の祖父母の家で入道雲を見ながらゆっくり過ぎていく時間の中で食べるザクザクのアイスキャンディーの味なんか
そんなものをわすれられずに大人になったし、
そんな風景は無くなってほしくないなぁと思う。
だってそれらは私を構成している一部みたいなもので、無くなってしまったら…
自分が欠けてしまったみたいで寂しいじゃないか。
それに歳を重ねてもたまに引っ張り出してシャボン玉をするような大人になろう。
遊びゴコロをわすれない大人になろう。