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大寒と大寒卵

『大寒』と『大寒卵』
『大寒』とは、もともと中国から伝来した暦の区分方法「二十四節気」のひとつ。
二十四節気とは、中国の春秋戦国時代に作られ、江戸時代に日本に導入された季節の区分法で、黄道(=地球から見た太陽の移動経路)に基づいて1年を24等分したものです。

二十四節気のうち、1年の最後をしめくくる期間が大寒で、15日間設けられています。
文字どおり、1年間のなかでもっとも寒い日(期間)とされていて、年によって前後します。

2024年の大寒期は1月20日(土)〜2月3日(金)。以降、2052年までは1月20日から2月3日までの間が大寒期とされていますが、閏年(うるうどし)の関係上、2025年と2029年の大寒期の終りは2月2日です。

天明7年(1787年)に出版された「こよみ便覧」には、
「冷ゆること至りて甚だしきとなればなり」
とあり、寒さが大変厳しい時季だったことが伺えます。

『大寒卵』とは、大寒の時季に生まれた鶏の卵のことを言います。
寒の時季に産んだ卵は滋養に富み、食べると一年健康に過ごせるといわれてきました。
昔の日本では、冬の寒さのなかで鶏が卵を産むことは稀で、それゆえに特に大寒の時季に生まれた卵は特別な価値を持つとされました。
冬のこの時季、鶏たちは寒さに耐え抜くために餌をたくさん食べ、少ない水分で生活することによって、卵に豊富な栄養がもたらされるとされています。
そのほか、風水の考えから、この卵の黄身は金運を上げる効果があるとも言われます。

江戸時代、天秤棒の桶に卵を載せて売り歩く「たまご売り」(行商)が現れました。
この頃には、たまご料理も色々作られるようになりました。
天明5年(1785年)に出版された有名な料理本である「万宝料理秘密箱」(まんぽうりょうりひみつばこ)という本の中の「卵之部」(たまごのぶ)にある、「卵百珍」(たまごひゃくちん)が有名です。
「卵百珍」では、103種類のたまご料理が紹介されていて、中でも黄身と白身がひっくり返ったゆでたまごである『黄身返し卵』が特に有名な料理です。



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