患者のHさん。
※先にお伝えしますが、このガジュマルはこの話には全く関係ございません!
私の家で育てている可愛い観葉植物ちゃんです。
今日Hさんという患者さんを夜間担当しました。
Hさんは先日緊急で入院して来られた高齢者の方。
(うちの病棟に高齢者さんはちょこちょこ入院されますが、少ない方である。)
Hさんは夜と朝に一回ずつ、抗生剤の点滴の指示が入っており、点滴をつなげにお部屋へ伺いました。
そりゃあもう、元気。
え?高齢者さん(○○歳!?)とは思えないほど元気。
もう話が止まらない止まらない。
私に人生についての説教。
まずは出身地から入り、
"関西の人とは話が合わない。"
だの
"正看護師なんて取っちゃって。結婚したら辞めなさいよ"
だの。
もう話す事全てにおいて説教。
ただ、凄くありがたい言葉も色々いただいた。
部屋から出たくても話が止まらず出られない。。
とまあ話がとまらぬ中、
点滴を落とす。
点滴を落とすと
点滴の針が入っている部分が"痛い"と訴える。
痛い場合は点滴の入ってる部分を見て、針を差し替えるか、角度を変えてみるか、とか色々提案して、本人と相談し、とりあえずそのままの針で落とすことにした。
そのHさんの抗生剤の点滴は、できる限り30分以内に使用しないと。という点滴であったため30分で落ちるように敵加速度を調整する。
するとHさんから
『痛い!あなた落とす速度が早すぎるのよ。下手くそじゃない!?こんな痛いの耐えられないわよ。2時間ぐらいかけて落としてくれないと!痛いじゃない!』と。
点滴の30分の法則について説明したが、若干の怒りは治らず、責任者と相談の元、2時間に合わせて落とした。
こんな夜があったお陰で
私は
Hさんの事が少しだけ嫌だと思ってしまった。
根拠があってやったのに。とか
Hさんが安全に安心して過ごせるように。って考えてるのにどうしてそんなに怒られなきゃならないの!?
関係のない私の私生活にまで口を出さないでほしい!
関西人は嫌ってなに!?
って
こんな感じで思ってしまった。
次の日の朝も同じように抗生剤があったが、
また文句を言われるのが嫌で先輩に頼んだ。
すると態度は一変し、
すごく穏やかに先輩と話していた。
その後、食事の確認のため渋々お部屋へ伺う。
すると
『さっきの看護師は痛かったけどすごく私の事を考えて点滴をしてくれたわ!嫌味じゃないけど、昨日の2時間もかけて落としたのは意味がわからないわ。今なんて30分で終わっちゃったじゃない。』
私は
2時間で落としてくれと頼んだのはあなたですよね!?と言いたかったが堪えて
『すみません。Hさんの負担になってしまっていましたよね。気をつけます。私もさっきの先輩看護師のような看護師になれるように頑張ります。本当、長い時間掛けてしまって失礼しました。』と伝えた。
それをいいようにHさんは
"そうよそうよ。"と説教を続けた。
もう本当嫌。
この患者さん嫌!私という人間そのものを否定されてる気分でもう嫌!
と思ってしまった。
そしてやっと夜勤も終わり、
帰る前にとりあえず挨拶だけしておこうと部屋へ伺う。
すると
Hさんから小さな紙を渡された。
食事の献立の書かれた紙の裏に、Hさんが書いたと思われる名前と少しの言葉。
Hさんは
『お守りよ。関東のお母さんだと思ってね。私からあなたへは連絡できないけど、辛い事があっても私を思い出して頑張ってね。あなたと沢山話せて楽しかった。』と言ってくれた。
私はその時初めて気づいた。
Hさんは私に娘の様に
"人として"を教えてくれようとしてたこと。
"こうすれば〜したほうがいいよ"を遠回りに教えてくれていた事。
色んな事が考えられた。
そしてHさんは少し涙を流し、その涙を隠しながら
『さあ、もう勤務終わりでしょ?早くかえりなさい。ありがとう』と顔も合わさずに私を部屋から追いやった。
私はイライラしていた自分を酷く後悔した。
こんなにも私の事を思ってくれていたことに気づかずに自分の感情だけで、自分の捉え方で勝手にイライラしてたなんて。と。
今日のこの体験は一生忘れないし、
この体験を活かして今後も素敵な看護師になろうと思った。
Hさんに伝えそびれたけど、実はまた明後日、私担当なんだぁ〜!