11月、上京のカフェラテバタートースト。
1:32に目を閉じて、二度寝の末、12:24に起きた。
10時間以上ぐっすりと、
現実的な夢をみながら眠っていた。
夢はいつもキラキラフワフワとしていて欲しい。不服。
どちらにせよ、よくねた〜〜!という気持ちになり、
さてお昼ごはんを食べようと思い立ったのだが、
何を食べたいのかよく分からない。
社会人になり、学生の頃と変わらず、いやそれ以上に、
平日はコンビニご飯にお世話になることが多い。
何故かコンビニに行くと、私は何が食べたいのか?
分からなくなるなんてことが多々ある。
だから土日くらいは、
本当に食べたいものだけを食べていたい。
そんな折角の土日の朝、食べたいものが分からない。
なんとなくに浸かった日々の弊害である。
うんうんうーんと考えて、
そうだ、あの日のランチ、食べよう。
と思い立った。
京都にも行きたいね。紅葉を観に。
お店に向かって歩いていると、秋を感じる〜〜。
赤いろ黄いろ、枯れた茶いろも少しだけ。
お、店名を照らす照明が見えてきた。
電球の上に小洒落たカサがついたそれは、
「大人になってお金貯めて、絶対買おうね〜!」
と親友と話していたものに、よく似ている。
ドアを開けて、レジであの日と同じものをお願いする。
「ホットのカフェラテと、バタートーストですね。」
季節が違うので、トッピングが変わっていた。
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上京してきたあの日、
お気に入りのキャリーケースを引いて、
まだ何もない部屋にひとりで住み始めたあの日。
自由だけど寂しくて、わくわくしながら少し怖くて、
お洒落なお店が沢山ある東京!キラキラの東京!と
自分に言い聞かせながら、近所のカフェを検索した。
ちょっと田舎っぽい私の城の近くにも、
ほら、こんな素敵なお店があるじゃない!と思って、
このお店に急いで来た。
カフェラテとトーストが作られる間、
私の方はちょっと気取った気持ちを作って待っていた。
いよいよ運ばれてきたカフェラテは、
ちっとも気取っていなかった。
なのにきれいでやさしかった。
これまで味わったことのない優しいカフェラテに、
あ、大丈夫かもしれない。と思わされた。
カップの隣には、
私のすきなバタートーストが並んでいる。
大丈夫だ、すきなものも、すきな人も、
ちゃんとここにもある。
むしろこの場所で、すきが増えていくのかもしれない。
あっさりとそう思えた。
一年後、そのお店は移転することになり、
ほんの少しだけ遠い場所に行ってしまった。
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席に着いて待っていると、
綺麗なカフェラテが運ばれてきた。
ひと口飲むと、優しいが詰まった味がする。
あの日とおんなじ味だ。
なにがかは分からないけど、やっぱり大丈夫だ。
変わらないものは美しい。
変わっていくものも愛おしい。
ちょっとスタートは出遅れてしまったけど、
まだ土曜日は半分以上のこっている。
さてさて、尻すぼみの休日にするわけにはいかない。
今日はどんな楽しい一日にしてやろうか。
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