「西瓜」第10号 5首連作「夏の家へ」
夏の家へ
蛍きて蛍がきたとわかるひといつまでも白いそのワイシャツで
撫でながらすこしささくれだっている動きの手のひら 公園へゆこう
ブランコに突っ立っていてわたしたちたぶん子どもはできないだろう
落ち葉って落ちてなければ何だろうみたいなことをずっと話し合う
陸橋に風はするどく横たわるそれを通らねば帰れない家
「西瓜」という同人誌の存在を知り、ともに欄という読者投稿欄の存在も知り(締切前日……)バタバタと寄稿させていただきました。
ひとまず寄稿したものの、文学フリマでゲットするまでは、中身がどういうものなのかよくわかっておらず。
しかし嬉しいことに選評をいただきました。楠誓英さん、嶋田さくらこさんに触れていただき、大変励みになりました。ありがとうございました。
第11号、12号寄稿作品も追って投稿いたします。
余談。個人的な感覚ですが、短歌連作サークル「置き場」やネットプリントに向けてつくる連作と、このともに欄へ出す連作の雰囲気が(自分のなかでは)かなり違っていることに最近気づきました。
特に「置き場」はすこし浮いた世界でストーリーをつくりあげていて、ちょっと遊んでいる意識がある。ともに欄はその真逆のような。あとから見比べると、同じわたしが詠んだんだな……ほんまか……と不思議な気持ちになります。第三者からみたらそんなこともないのかな。気になります。