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Photo by
atsukonohoshi
『西瓜』第13号「晩夏光」(5首連作)
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晩夏光
まぶしさは眼窩をなめて茫々とあなたの腕にねむる血管
声が音をもつまでに似る 薪と薪ごとりとずれて翻る火は
救われる、と思うのはなぜテントからにじむ灯りに脚を呑ませて
狼で終える影絵のゆらめきへ風ひそやかに日付をまたぐ
ふちのない鏡としての海面が名づけるままに夢は晩夏光
晩夏光
まぶしさは眼窩をなめて茫々とあなたの腕にねむる血管
声が音をもつまでに似る 薪と薪ごとりとずれて翻る火は
救われる、と思うのはなぜテントからにじむ灯りに脚を呑ませて
狼で終える影絵のゆらめきへ風ひそやかに日付をまたぐ
ふちのない鏡としての海面が名づけるままに夢は晩夏光