障害年金は一部の「恵まれた障害者」しか助けない、という話。
死にたい。
誰かに殺してほしい。
痛みや苦しみが無いならなおよい。
出来れば、私の存在が最初からなかったことになってほしい。
家族にも、友人にも、ショックが無いようにしてほしい。
もしも、そんな都合のいい「死」のボタンが目の前にあったら、多分押すと思う。
それくらい今、死にたいと思っている。
障害者の障害年金受給について
わたしは、自分がうつ病になるまで、そのそもうつ病患者が「障害者」に該当することすら知らなかった。
うつ病で働くことができなくなって初めていろんなことを調べ始めた。
障害者手帳の申請は、思ったよりも簡単だった。
通っている病院と区役所に行けば書類をもらえて、どうにかなったから。
でも、障害年金はどうだろう。
本当に、大変だった。
具体的なことはこれから書くが、障害年金はその手続きの難しさから障害者(障害年金該当者)の30%ほどしか受給できていないという現実がある。
まず、この時点で、障害者が生きていくためのセーフティネットとしてシステムが破綻していることがお分かりいただけると思う。
申請当時の様子はこちらのnoteをどうぞ。
障害年金の申請書類とは
まず、障害者年金の申請にどれだけのハードルがあり、どこで脱落者がでるか書きたい。
私の場合、申請書類が完成するまで1カ月以上かかった。
初診の病院と、今通っている病院に専用の書類を書いてもらう必要があるからだ。
これを書いてもらうのには3週間くらい待つし、お金もかかる。
(病院によるが、私の場合は2万くらいかかった気がする)
だからまず、手元に数万の余裕がないと無理。
また、初診の病院となると引っ越し前の病院などで遠い場合もあるため、こちらから自分で電話をし、専用の書類を返送封筒付きで郵送し、料金をATMで振り込む、と言った社会スキルのない人は脱落する。
※専用の書類フォーマットはネットで入手できるがなぜか私の病院は「郵送してください」と頑なだった
この他、自分で書く書類もある。
発症直後、初診当時、病院を変えた当時、現在の症状を細かく具体的に書く。
正直、思い出して書くだけでも大変なのだが、ここで手を抜くと「それほど困っていない人」と判断され、需給許可が出ない。
他にも、日常生活にどれだけの困難さを抱えているかなど、詳細に書く必要がある。
つまり、最低限の国語力がないと脱落。
ちなみに、この書類は代理人に書いてもらうこともできるが、まず代理人がいない人こそ、年金が必要だろうと思う。
社会のセーフティネットどころか、恵まれている障害者しか申請できない仕組みになっているのが疑問。
そして、この書類の確認に年金事務所に数回通う必要がある。
ここで、通えない人は脱落。
うつ病の私も、事務所が開いている17時までに事務所に行ける体調の日がほとんどなく、かつ数週間前から予約する必要があったので、かなり時間がかかった。だって、行けるかどうかなんて当日にならなきゃわからない。それが障害者の現実だよ。
ちなみに、事務所窓口の予約は電話するか直接行って予約するかしかなかった。
そのため、電話できない人は脱落である。
ここまで書けば、障害者の中で30%しか障害年金の受給をしていない理由がわかってもらえただろうか。
申請後のハードル
ここまでのハードルをどうにか乗り越え、申請ができてもまだ終わらない。
申請後、審査に4~6カ月かかるからだ。
そのため、入金までの期間も加味すると、最低でも半年間の経済的な余裕がない人は脱落。
働けず、頼れる人がいない障害者は死ぬしかない。
ここで、私はこの間引っ越したことで、すべての申請書類の住所を書き換える必要ができた。
去年9月に申請して、去年の12月に書類が全部返却された。(郵送で)
わかる?
「住所が違う→返送」までに3カ月も経ってる。
そして、書き直して返送。
すると今度は「初診の病院が不明確」として、2月に返送。
つまりまた、3カ月経ってから不備が発覚した形だ。
ここで「修正点が不明な方は電話でご連絡を」と書いてあったので、修正点がわからず電話もできない人はここで脱落。
そして現在、4月。
いつになったら障害年金の審査が終わるのか、問い合わせ先を調べたところ、電話しかなかった。
つまりやはり、電話ができない人間は申請できない。
しかもここで、住所変更や修正のたびに、審査が一からやり直しになっており、返送するたびに4~6カ月待つしかないことが分かった。
もう本当に意味が分からない。
あきれるしかない。
修正点が多いのはこちらの落ち度かもと思ったが、そうならないために窓口に3,4回通い、「これで問題ありません」と言われて申請しているので、窓口の仕事の質についても疑問である。
障害年金申請の壁
では、一体どんな人なら障害年金の申請ができるのかまとめた。
1.申請のための診断書などに数万円出せる
2.書類集めのために郵送、電話、ATM振込などの社会スキルある
3.自分の症状を文章にする国語力がある
(ない場合は代理人が必要)
4.書類の不備確認のために年金事務所に通える
5.数週間後の年金事務所訪問のために電話で予約できる
(もしくは直接行って予約できる)
申請後も、
6.入金までの最短で半年間、生活できる経済力がある
7.書類に不備があった際、電話で問い合わせできる
8.申請状況の進捗が無いとき確認ができる
以上、8つの能力が必要であることが分かった。
声を大にして言いたい。
これ、障害者のセーフティネットとして成立していない。
この状況で受給している人は、障害者のなかでも「恵まれた障害者」しかいないのではと思う。本当に困っている人はどうしているのだろう。怒りしかない。
でも、もう、わたしは疲れた。
今後について
私の書類の不備は2回発覚したので、今日修正と返送をした。
(しかも前回言われたとおりに修正したのに、また同じ場所を修正しろと言われた。多分修正の方針が共有できていない。)
よって、再び最短でも再び4カ月審査に時間がかかる。
去年の9月に申請したものが、今年の8月にならないと分からない。
しかも、お金が支給される保証もない。
もらえるかわからないものを待ち続けるというのが、いかにみじめであるか。
私はこの国にとってどうでもいい存在なのだと痛感する。
どうでもよい存在だから、こんな不明瞭でバリアだらけの制度になるのだ。
もう、疲れた。
(2024年4月16日午後10時38分追記)
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