人見知りのカリスマ
祖父から始まり母と私
とても生きづらい遺伝子が受け継がれていると思う
私たちは極度の”人見知り族”である。
目を惹く人
私たちは誰かと話をするときに
無意識のうちに眉間あたりをみて
目が合うことを避けているような気がする。
人がたくさん集まるイベントには
ほとんど参加したがらないし
愛想よく笑顔を振りまいて人が寄ってくるのも困る。
人を拒みがちな私と母との違い
それは仲良さそうな人が寄ってくること。
媚びないし必要以上に交流せずお酒の席も苦手。
だけど近寄りたいと思われる人。
いつの間にか誰かの母親役になっていたり
相談役になっていたり近しい人になっている
無自覚に愛される人。
こんなことがあった。
私たちには行きつけの蕎麦屋がある。
よくそこでランチをするのだ。
そして馴染みの奥さんが注文をとりにくる。
いつもあまり変わらない私たちのオーダー。
突然母が呼ばれた”のんちゃん”と。
え?ともだち?
きっと顔に出ていたと思う、
瞬間的に母の方を向くと母も同じようにこちらをみてた。
心の中で会話する私たち。
聞くといつの間にかそう呼ばれていたらしい。
親しい人と身内でしか呼ばれることのない母の愛称。
常連になっていた私たちだけど
もはや母とは友人になったらしい奥さん。
「のんちゃん、大盛り?普通?」特別扱いだ。
私の母は人見知りだ。
多分私以上に。
だけど母にはカリスマ性がある。
会話の中で愛称をインプットされて
気づいたら使われているなんて。
見えない何かを発動させて人を引き寄せる。
雰囲気もいいんだろう。
知らぬ間にみんな魅了される。
注文したお蕎麦がきた。
私と奥さんはまだまだ距離が遠そうだ。
「お待たせしました、これ隣のお姉さんね」
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