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2019年12月の記事一覧
マシーナリーとも子ALPHA 〜路地裏の尋問篇〜
某日、13:00。サンダガイラカエラが殺人の監査役として池袋支部を訪れてから2週間が経っていた。
「よく来てくれましたね」
駅前の甘味処。ネットリテラシーたか子は供されたあんみつをファンネルに掬わせながら前のサイボーグに話しかけた。
「まあ、私たちも面白くはないですからね。とはいえカエラさんの言うこともわからないではないですが」
サイボーグはガチン、ガチンと撃鉄を響かせながらみつまめをかき
マシーナリーとも子ALPHA ~探る勝負篇~
その部屋にはチェーンソーのモーター音が鳴り響いていた。実際には一緒にマニ車やCPUファンといったものの回転音も響いていたのだが、とにかくチェーンソーの音が目立ってそうした音はかき消されていた。
だが時折、チャッ、チャッ、となにかを打ち鳴らすような高い音が差し込まれる。
部屋は薄暗く、パソコンのディスプレイに照らされてうっすらとものや人型のシルエットが浮かび出されていた。部屋の中にいるサイボー
マシーナリーとも子ALPHA 〜限られた殺人篇〜
「……はぁ〜〜……」
ジャストディフェンス澤村はため息をつきながら腕の履帯を取り外した。そして人差し指にくるくると巻き付けたかと思うと、また机の上に垂らして転輪に巻きつける。彼女はもう30分以上をそうしてボンヤリと過ごしていた。
その姿を心配そうに見つめるマシーナリーとも子、ネットリテラシーたか子、アークドライブ田辺。いったい何があったのか!?
「……もうず〜っとあの調子なんですよ午後から
マシーナリーとも子ALPHA ~4人のポスドク篇~
「犯人はこの中にいるッッ!」
ワニツバメは万感の想いを込めて叫んだ。まさか自分の喉からこの言葉を発する日が来ようとは。ミステリを愛するものなら誰もが憧れるワードであった。シャーロキアンの仲間のみなさん、見ていますか?
「ど……どういうことですか」
当然3人の男たちは納得いかなさげである。確かにパッと見は酔った被害者がまだ熱い油をひっくり返して被っただけに見える。どうして被害者が死んだと
マシーナリーとも子ALPHA ~池袋市街の殺人篇~
「ここか……最近噂のトンカツ屋は」
4人の男たちはのれんの前に立つ。「とんかつ処田なべ」。池袋新進気鋭のトンカツ屋としていまにわかに話題の店だ。
「なんでも揚げ方が違うらしい」
「どう違うんだ?」
「店主の左腕が銃なんだと」
「腕が銃?」
4人の中で一際長身で垢抜けた印象の男は素っ頓狂な声をあげた。なんで腕が銃なんだ?
「とにかく入ってみよう。味は間違いないらしい」
「よし」
のれ