花瓶の縁
久しぶり。
空っぽになって、
身体の底から声が出た。
柔らかく腰の骨、急いで刺す花瓶。
床に散らばる、余ったカーネーション、光が差し込んでいる。
「ごめんね。この一つきりなの、花瓶」
干からびていく透明な縁、反射する花弁の顔。
「新しいのを買いに行こう」
「うん」
「いつになるかな」
「いつか、きっと」
久しぶり。
空っぽになって、
身体の底から声が出た。
柔らかく腰の骨、急いで刺す花瓶。
床に散らばる、余ったカーネーション、光が差し込んでいる。
「ごめんね。この一つきりなの、花瓶」
干からびていく透明な縁、反射する花弁の顔。
「新しいのを買いに行こう」
「うん」
「いつになるかな」
「いつか、きっと」