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違う世界線(7回死んだ男/西澤保彦)(N/道尾秀介)
「選んだ道はこうだったけど、もし違う道を選んでいても、結果は同じだったかもよ」というような話を書いてみたいと話していて、人に薦められた2冊を読んだのでメモ。
※ネタバレあり※
・7回死んだ男/西澤保彦
これはバカリズム脚本のドラマ『ブラッシュアップライフ』を彷彿とさせるタイムリープ系だった。主人公は同じ1日を8回繰り返す反復ゾーンに定期的に陥る特殊能力をもっている設定。反復期間の記憶があるのは自分だけで、いつゾーンに入るかは本人にもわからない。たまたま入試の日にゾーンに入り、問題を8回解けるので分不相応な難関高に受かってしまい、入った後はもちろん苦労してビリを取り続けた…という過去もある。
年末年始、一家で集まっていたらゾーンに入り、2周目になぜか祖父が殺される。成功した経営者の祖父の跡を継ぐのは誰か?というお家騒動を元凶とした殺人事件だと気づいた主人公は、事件が起きないようにあれこれと試すが、何周しても祖父は殺されてしまう。(このあたり、映画『バタフライ・エフェクト』っぽい。こっちはもっとコメディだけど)
オチは主人公が反復ゾーンに入ったと信じていた日が実は間違っていて、祖父の痴呆で同じ会話を繰り返していたから気づかなかった的な、ちょっと「そんなのありかよ」な感じだった。
でもかなり面白い。
・N/道尾秀介
短編集。冒頭に各話の書き出しが羅列してあり、「順番はないので好きなところから読んでください」と指示がある。また、「各話の繋がりをなくすために、わざと向きを変えている」とも記載。
一話ごとに本の天地が変わるので、シンプルにP1から読み始めた場合、本を何度もひっくり返すことになる。斬新!
私は適当に順番を変えながら読んだが、三話くらい読んだところで「必ず誰かが死ぬ」ことに気づいた。また、登場人物はもちろん、青い蝶や海に太陽の光が差し込む様子など、共通するシーンも度々出てくる。お、これは「最後に実は全部繋がってました」という気持ちのいいアレか?でも最後とかないんだよな?と思いながら読了したが、結局、繋がっているように見えて全部違う物語だった。嫌な奴だと思ってたら後の話ではいい奴だった、みたいなパターンが度々会ったので、読む順番によって登場人物の印象が変わるのかも。
他にも読んだら追記していきたい。