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元祖広告王(アイデアのつくり方/ジェームス・W・ヤング)
アメリカ最大の広告代理店の常理最高顧問を務めた著者による、「アイデアをどうやって手にいれるか」を解説した作品。
初版は1988年発行で、私が手にした2004年版は48刷だった。
時代を経ても変わらない普遍的な内容が、1時間もあれば読める薄くて小さい本に詰まっている。
要点はずばり、「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである」ということ。そしてこの組み合わせを考えられるのは天才だけではなく、以下の手順を踏んで訓練を重ねれば、誰にでもできるようになる。
アイデアの作り方
①データ(資料)集め
当面の課題のための資料と、一般知識の資料を常日頃から集めること。
②データの咀嚼
スクラップやメモなど資料に手を加えること。
③データの組み合わせ
これは無意識に任せる。仕事から離れてリフレッシュし、美術館に行くなどして新しい刺激を得ることが大事。
④アイデアの実際上の誕生
「わかった!見つけた!」と言う段階。
⑤アイデアのチェック
現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。
ヤングは①②③⑤を意識的活動、④を無意識的活動に分類していて、④のインスピレーションを得るためには、おろそかにしがちなデータ集めをなるべく多くやることが大事、というような話だった。
さして「目から鱗!」という感じの内容ではなかったけれど、基本的なことだからこそこれほど時代や国を超えて愛されているのかもしれない。
それにしても、あの文量で1冊として出してしまう出版社の勇気がすごい。