面白い女はモテないか?(のっけから失礼します/三浦しをん)
お笑い的な意味で面白い、英語でいうinterestingではなくfunnyで、喋りや表情ではなく文章でそれを表現できる女性はとても貴重な存在である。
私の中で永遠の2トップがさくらももこさんと西加奈子さん、そして『のっけから失礼します』を読み終えたいま、三浦しをんさんが加わった。
これは、ファッション誌『BAILA』で連載された三浦しをんさんのエッセイをまとめた1冊だ。
彼女の小説はいくつか読んだことがあるが、メンヘラ気味の女性がよく出てくる印象が強く、著者がここまで男気あふれた強い女性だとは思いもしなかった。(ご自身がそうだから、逆のタイプの女性を書きたくなるのかも知れない)
アラフォー、独身、年々増えゆく体脂肪率や身体の不調などを、程よい自虐とともに笑えるエピソードとしてまとめられる彼女は、すべての女性が友達になりたいと願うであろう魅力的な存在だと感じた。
面白い女はモテないという定説がある。
男性にとって自分より面白い女は脅威であり、学歴や年収が自分より上だと引け目を感じるのと同じように、面白い女にはプライドが傷つけられるのだという。
面白さが脅威とされる世界で、面白くあろうとする女性が少数派になるのは当たり前のことだ。それでも、面白い女は数多く存在する。抑圧されない環境さえあれば、彼女たちは別人のように輝く。
「女の話はつまらない」と主張する男性がいるが、私は声を大にして言いたい。つまらない女しか寄ってこないのは、あなたがつまらないからだ。
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