松下幸之助、稲盛和夫、ピーター・ドラッカーに異を唱える
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「企業を永続させる」や「会社の永続性」などの言葉をネットで検索すると、いろいろな経営学理論や会社の経営方針が出てきます。松下幸之助、稲盛和夫やピーター・ドラッカーなどの経営の神様たちも、これらの言葉を使っています。企業人、経営者の多くは、何としてでも会社を未来永劫に渡って存続させたくてしかたがないようです。
これに対してボクはものすごく違和感があります。会社が永続するなんて、理論的に絶対に達成できないではないですか。100万年存続したって100万年と1日目に倒産したら永続とは言えません。というか人間はせいぜい100年先しか確認できないので、いったいどうして「永続」などという叶わぬ目標を掲げたくなるのか理解できないのです。
屁理屈だという反論がありそうなことは理解しています。長く社会から必要とされるという考え方の表現として、用いているのだということも理解しています。それでも、人の「無意識」の力についていろいろ勉強していると、なかなか危険な文言だと思うようになりました。
まず、永続が達成できないということは、達成感が永遠に得られないということです。いくら努力しようが、難問を解決しようが、その命題に対する達成感は得られることはないという事実は、屁理屈でも何でもないでしょう。この達成感が得られるかどうかは非常に重要だと思っています。達成感によって得られるドーパミン(脳内快楽物質)は人のモチベーションを高めます。そのモチベーションを維持できない運命を背負わされているのです。
もう一点、危険だと思われることは、無意識的に擬似達成状況を作り出そうとしてしまうことです。何と、達成できそうになくなる状況を自らがあえて作り出し、そこからのリカバリーを図って達成感を得ようという、無意識作用が働くこともあるというものです。そういう無意識の心理作用があるのです。
要するに、倒産危機を自ら作り出して、それと奮闘して乗り越えるということをするのだそうです。マッチポンプですね。本で読んだのです。ただ本はどれか分からなくなってしまい、具体例もすっかり忘れてしまいました。とにかく無意識とは、そういう意識には理解できない行動をとることがあるそうなのです。
世界最古の会社は日本にあります。株式会社金剛組。飛鳥時代に創業したそうです。実質何度か破産手続きしているようです。昔から存続している日本企業でそれなりに繁栄を誇っているのが、三井系と住友系ですか。どちらも江戸時代から続いています。ちなみに住友グループ源流の住友金属鉱山株式会社の株を持っています。上場企業での世界最古かも。もっと配当上げてね。
それにしても、いつか倒産したって、いーじゃんと思いませんか。どうしてもいつかは潰れます。長生きするに越したことはないでしょうけど、不死を望む努力は不毛です。その時その時代の社会の期待に応えて、輝きを放っていれば、おのずと長く指示されるでしょう。結果として長く存続という果実を得たらいいのです。
最初から永続と言い、最終目標を永続と言っていると、疲弊するでしょう。伸ばしたい手や足も逆に縮こまります。永続、永続って言われている企業の社員さんたち、疲れてませんか。それではまた。
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