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06.20

"つながり"の一欠片を手に。

今日はアポイントもなかったので、取引先と過去営業先に出向くことにした。


まずはじめに伺った取引先では世間話に花が咲き、11時にお邪魔したのに気がつけば12時を回ろうとしていたところだった。
そうしたら社長から一言、
お昼ごはんよかったら食べて行きなよ。
とのご提案があったので
せっかくなので。
とご一緒させてもらうことにした。

お昼はどこかに出かけますか?と聞くと、美味しい中華料理のお弁当屋さんがあるとのこと。
「何食べたい?」
と聞かれ、約1分ほど悩んだ挙句に絞り出したのは、
からあげ食べたいです。
だった。
「あるよ!からあげ弁当!ぼくもそれにしよ!」
とのことでからあげ弁当が二つデリバリーされることになった。

社長はパーソナルトレーニングをしているらしく、炭水化物は控えめにされているそうだったが、今回はせっかくなのでと炭水化物を気にせずに食べることにしてくれたらしい。
あとで聞いてみると、別に炭水化物を取ること自体はダメなことではなくて、"食べた分はしっかり動いて燃やせばいいんですよ"とのアドバイスを以前からトレーナーからいただいていたとのことだった。
これにはなるほどなぁと感心する。

そして待つこと20分。
満を持してからあげ弁当が二つ到着する。
お弁当には大きなからあげが3つと焼売が2つ、ミニサラダにパイナップルが添えてあり、ごはんにたくあん、極め付けはもやしとわかめの中華スープが付いていた。
これこれ。と言わんばかりの社長の顔を見て思わず笑ってしまいそうになったのはここだけの話にしておきたい。

そしていざ実食。
からあげ、実は骨付きだから気をつけて食べなよ。
とアドバイスをいただいたので慎重に食べ進めることにしたはいいが、あまりに慎重になりすぎたためか持っているお箸の先端を破壊してしまう。意味不明な表現にはなっているが、実際からあげを持ち上げた際にお箸の先端が折れてしまったのだ。

予想外のサプライズは置いておいて、黙々と目の前のからあげ弁当を味わう。
誰かと食べるご飯が美味しかったのか、一気に食べ進めてしまい、あっというまにお弁当が空っぽになる。

「美味しいよね。ここのお弁当。」
「いや、めちゃくちゃ美味しかったです。」

そうやってお昼ごはんはひとまず終わったんだけど、その後も世間話は尽きなかった。次の話題は休みの日にはどこに行くかという永遠のテーマについて小一時間ほど話し込んだ。

「京都!京都いいですよー!」
「いや、淡路の方がいいんだよ!だってさ…」

会話の終わりは取引先の関係者がやってきたことにより突然訪れた。

「ごめん、次の打ち合わせの人来ちゃったからまた次は外にお昼ご飯食べながら話そうよ。」
「ぜひぜひ!」

そうして取引先を出たのは午後1時30分を少し回ったところだった。


その足でそのまま次の一年ほどかけて契約をしてもらった営業先に出向くことにした。

実は担当者と会うのは3ヶ月ぶりで、その後の調子はどうか聞いてみたかったのだ。
タイミングとしては今しかないよなと車に乗り込むとゆっくり目的地へと走らせる。

「こんにちは。◯◯です。お久しぶりです!」
「お久しぶり!異動のお知らせかい!?」

前回のタイミングが異動の時期もあったので、異動の可能性を匂わせていたことをはっ!と思いだす。

「大丈夫だったみたいです!よかったです!」
「いや、ほんとによかったー!仕事は大変じゃないの?」

そうやって世間話を繰り返す。
聞いてみれば、それ以降も不具合なく使えてるそうだった。
心配しなくてよかったといえばそうではあるが、やっぱり顔を出してこそ伝わるものはあると思う。

話していくうちに担当してくれた課長が僕の取引先の業界にいたことがあるとのことで、そこからは外の公園をあるきながら30分ほど大阪のおばちゃんらしく話し込んでしまう。

「あの頃に会った人に仕事のいろはをたたき込んでもらったからまぁ今があるんだけど、今の仕事はなかなか私にはあってないと思うんよね。」
「え、全然そんな感じに見えない…というかぴったりだと思ってたんですけど、やっぱりわからないもんですね。」

やっぱりその業界で従事されていたからこそ、話の内容にも説得力があったし、なにより僕の営業としての立ち回り方にも勉強になることばっかりだったと今になっては思う。

そんな会話の終わりも自然にやってきた。
話題がつきるとかそういうことではなくて、まだまだ話したいけど今日はここまでみたいな感覚。そういうものは確かにある。

「久しぶりに会えてよかったよ。また辛くなったらお茶飲みにおいで。」
「あぁ、もうぜひ!来させてもらいます!」


つながりを紡いでいくこと

正直僕にはわからないことがある。
会社の上司によく言われることがある、

「君は人と関係性を作るのが上手いよね。」

ということだ。
これには僕はどう答えたらいいのかわからないし、だれかにそのやり方を教えてやって欲しいと言われてもうまく伝えることができない。
だから、今の取引先との関係性もどうやって築いてこれたのかと説明しても

たくさん会って話をしてきたから

しか答えることができない。
でも、これが僕にできることであり、僕が唯一仕事で活かすことのできているスキルなんだとしたらそうなんだろうと思う。

というのも、僕は基本的には自分に軸がない。
誰かの話を聞いてその人の人生に触れる。
そこから気づきを得て考え、次に活かす。
その繰り返し。
だから、一つのきっかけをとってもやはり自分にはないものばかりでそれを他人から受け取っているに過ぎない。

でも、その受け取ったバトンを落とさずにしっかり繋いでいくことができていることが僕にしかできない取り柄なのではと考えたら、とてもしっくりくることに気がついた。
ほんの一瞬でも関わった人にこそ、たくさん話を聞いてみたいという思いがあるからこそ、たくさん話を聞ける。

そうやって生まれたご縁が"つながり"だとするならそうなんだろうなって思う。
それをひたすら紡いでいくこと。

それが僕にできる営業なんだろうか。
そんなことをぼんやりと考える今日の終わり。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。
明日は夏至ですよ。
どうぞ、皆様にとっていい1日になりますように。

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