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勝手ながら白状しますと…

これまで友人や会社の同僚など、数々の結婚式に出席させていただいた。
大変めでたく光栄なことなので、時には余興も含めて全力で馳せ参じて来た。
ただ、私には結婚式で苦手なマイナー行事がある・・・。

白状する。
私は最後に配られるブーケが心の底から苦手だ。

おいおい、何のことだ?と仰る方のために説明しよう。
披露宴会場を華やかに彩った生花をブーケにして、式場を後にするゲストに持って帰るように促す アレの事だ。

ただブーケを持ち帰ることを促されるだけなら良いのだが、引き出物の紙袋に勝手に入れられたり、何故か女性だけをターゲットに、半ば強引に持って帰らせようとする式場もあった。
回数を重ねて、私もようやく丁重にお断りすることができるようにはなったが、私がまだ可憐だった頃(え、いつ?)は断れずに、苦手な気持ちを隠して持って帰ることもあった。
確かに周囲の女性の中には嬉々として持って帰る方も多かったが、女性だからと言って全員が全員、その花束を貰って嬉しいわけではないのだから、せめて持って帰らない選択肢を残しておいていただきたい。

さらに白状すると、私は花束を構成する”切り花”が苦手なのだ。
何故かその部分の感性が敏感と言うか、むしろバグっているとも言えるのだが、私にとってのそれは気の毒で可哀想な存在と思えて仕方ない。

誤解を避けるために説明すると、他人の手にある花束に対して否定的な気持ちを持ったことはない。
花束を受け取った人の笑顔を見て、温かい気持ちになる。
お花屋さんの前を通り過ぎると、店頭に並べられた色とりどりの花々を見て、美しいと思うし、季節の移り変わりを感じることもある。
ただ、それが自分事になった瞬間、一変してしまう。
花束と言う切り花の集合体が自分の手に渡った瞬間、他人の手にあった美しい塊が、生命から切り取られた”辛うじて生きているもの”として感じられるようになるのだ。

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花は好きだ。
これは声を大にして言いたい。
以前noteに書いたが、誰かの”花の前で写真を撮りたい”と思う存在になりたいという淡い夢を未だ捨てきれずに生きている。
(いい加減、諦めたほうがいい)

ただ、私が好きなのは土に根を張った植物なのだ。
充分に日光を受け、水分や養分を吸収できる状態で、元気に咲いているそれが好きなのだ。

過去に、切り花が苦手だと言うことを知人に話したことがあったが、その多くは怪訝そうな表情を浮かべ、
「喜んで受け取ればいいじゃん」とか、
「うわ、考えすぎ」などと言った。

だからなんとなく、これは他人に話さない方がよい事なのだろうと思ってきたのだが、ここへきて同じように切り花に苦手意識を持ち、「共感してくれて嬉しい!」という人が僅かに現れたのだ。
これは事件だ!私だけじゃなかった!

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最近のお気に入りで、繰り返し聞いているポッドキャスト番組に「ゲイと女の5点ラジオ」がある。

「ゲイと女の5点ラジオ」
しょうちゃんとヴァジャさんのお二人が、若くもないけどおばさんでもない”ネオおばさん”として自らを称し、独特の自意識、偏見や妄想を以て世の少数派に勇気と笑いを与えてくれる素敵な番組。

この番組の中で性別・年齢で傍から決めつけられることへの違和感について、おもしろおかしく、それでいて嫌味なく語られる場面がある。
「特に女性は母性があるから子供と接するのが好きだと思われがちだが、ネオおばさんの中には子供とどう接してよいか分からない人が多いのでは?」
とか、
「人数合わせで呼ばれた結婚式を乗り切るために、”自分の中だけのちょっと意地悪な視点”で楽しんでみる」
など、自意識こじらせて生き辛さを感じるネオおばさんならではのモヤモヤに名前を付けたり、提案をしてくれたりする。

しょうちゃんは、オブラートに包み過ぎてなかなか本当の自分を出せないというのが悩みで、それをこのポッドキャストを通じて克服しようと試みているようなのだが、私も普段は自分の本心を隠してしまいがちなので密かに親近感を持っている。
フォロワーさんにリアルでの知人がいないのを良い事に、実はこのnoteでは自分の本音や思っていることを少しずつ晒す練習をしている。
そういうわけで、今回も自分の苦手なものについて書いてみた。
いつか私もリアルで自分の考えていることを気兼ねなく話せる日を思って、ポッドキャストに励まされながらnoteを続けていきたい。

もしかしたら、これを読んで下さる人の中には、
「花束が苦手なんてあり得ないんだが!」と思う人が居るかもしれない。
でも、少数派ではあるものの同じような理由で花束が苦手な人もいることを知ってもらえると嬉しい。
これって、実は他の少数派の人たちへの接し方にも通づるものがあると思うので。
世の中にはいろんな人が居て、十人十色の感じ方がある。
私もいつもそれを頭の片隅において、見えている部分だけでその人を決めつけず、寛容の心を常に持てるように人として成長していきたいなぁ、なんて思う今日この頃である。

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hummer
最後までお読みいただきありがとうございます。 また是非遊びにいらしてくださいね! 素敵な一日を・・・