ケーサツとか認知症とかおっさんとか若者とか子育てとか。前編。
いろんな事が書きたくてこんなタイトルになっちゃったけど、最近のまりこはとにかく眠たい。日々のルーチンに早寝早起きを取り入れ、早朝散歩に行くことをなによりも大事にしている。健康のためにも。健康のためなら死んでもいいと思ってる。
今朝もわたしはちゃんと早起きしてちゃんと洗濯機をまわし、ちゃんと顔も洗って、ちゃんと着替えてちゃんと家を出た。ちゃんとしている自分に酔いしれ、朝日が出てきたばかりのその空とキンと冷えた空気を味わっていた。
いつもの散歩道。何も変わらないその景色を一人で楽しむ。嗚呼。なんてちゃんとしてるんだわたしは。。。
てくてく歩いていると前の方にお婆さん。お婆さんがコッチをみている。「HEY、ばーさん。グッモー。お前も散歩かい?」と思いつつ通り過ぎようと思うや否や、アクシデントに見舞われた。
「あンのぉー、ちょっと道を聞きたいんだけどぉ。。。駅はどっち?」
へ?!( ゚д゚)
道を聞かれた!道を聞かれた事自体はフツーだ!だがしかし、今は朝の6時!そして相手は後期高齢者!場所は大通りから離れた細道!山道!誰がどーーーーーーみてもポリデント!韻を踏んでる場合じゃない。
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徘徊系女子!
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やややっ!ってなってるところに徘徊系女子(仮)は続けてこう言ってきた。
「息子のところに行きたくてねぇ。息子は駅の近くに住んでるの(´・Д・)」」
駅!?何駅?!( ゚д゚)
まず一旦落ち着け俺。深呼吸。スーハー。鼻から吸って鼻から出して鼻息が荒いね!馬だね!落ち着け。
まりこ「駅ね、駅。何駅ですか?この辺は西八王子駅と高尾駅があるけど、どっちも歩くと30分以上かかるから、バスかタクシーで行ったほうがいいよ。」
落ち着きを取り戻したまりこは徘徊系女子(仮)とコミュニケーションを取ることにした。
徘徊系「駅の近くなの。駅まで行ければ大丈夫なの。駅はどっち?」
ま「どの駅だろ、おばあちゃん。息子さんの住所わかる?」
徘徊系「住所ぉ、じゅうしょね。ゴソゴソ」
バッグから何やら取り出す。息子さんの個人情報かな。個人情報カモン。
徘徊系「これ、これよ。これが息子なの。」
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写真だ!写真ぢゃないかあああ!
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徘徊系「息子が若い時なの。駅はどっちかしら?」
この時まりこの中で(仮)が取れた。ぜってー徘徊系女子だ。うん。間違いない(と思う。)
息子さんの個人情報は出てこなかったけど、この婆ちゃんの名前は聞けた。普段は「みんなで住んでる。」と言っていたのでどこかのホームに住んでいるんだろう。何があったかは知らないけど急に息子さんに会いたくなったんだろう。でもわたしには息子さんのところに連れて行くことはできない、こんな時どうすればいいのかもわからない。お年寄りと暮らした事がほぼない。小学生の頃まで婆ちゃんと暮らしてたけど、ボケる前に死んじゃったのでこういう時の知識と経験が皆無だ。
とととととととにかくだ。ここは住民以外の人が通らない道だし、どうしたらいいかもわからないので大通りに出よう。大通りまでは200メートルくらいだ。大通りに出たらケーサツを呼ぼう。ケーサツならきっとなんとかしてくれる。
まりこ「◯◯さん、ここはバスもタクシーも来ない場所だから一旦大通りにでましょう。一緒に行きましょうね。」
徘徊系「大通りねぇ。。。」
大通りに出るまでいろいろ聞いてみた。どこから来たのか。息子さんは何歳かなどなど。
この辺のホームに住んでいて、息子さんは70代。どこかの駅の近くに住んでいて、孫もいるらしい。孫は20代と言っていた。80歳までゴルフで鍛えていたので早朝の気温でもすこーしも寒くないわ〽︎と、エルサみを醸し出している。
わたしからの質問に、覚えていることは軽快に答えてくれたけど、息子さんの住んでるところと、普段自分が住んでる(であろう)ホームの名前は出てこなかった。会話の合間合間に、「息子のところに行くの。息子は駅の近くに住んでるの。」「東京は1週間お天気。」という事を何度も言っていた。認知症というのはこういう感じなのかしら。
大通りに出る前に110番した。事件ですか事故ですか?と聞かれたけどどちらでもない気がして答えられなかった。
・迷子のお年寄りがいる
・名前は◯◯さん
・△△のところにいるから助けにきてほしい
という事を伝えた。徘徊系◯◯さんにはケーサツに連絡をしたということは言わなかった。変に警戒したり不安になって欲しくなかった。認知症の人の思考がどういう感じなのかわからなすぎるから、「ケーサツ」というキーワードにショックを受けたりするかもしれないと思った。ケーサツを呼んだ事で悲しい気持ちになってしまったらどうしようとも思った。
徘徊系◯◯さんには、「道に詳しい人を呼んだから、その人が来てくれるまで一緒にここで待ちましょう。」と伝えた。
待ってる間も、「息子のところに行くの。」「東京は1週間お天気。」を繰り返していた。そして長崎出身で名古屋に長いこと住んでいたことも教えてくれた。旦那さんは10年前に他界したそうで、生前は大学の先生だったそうだ。旦那さんの話をしてる時の徘徊系◯◯さんはちょっと誇らしげだった。
つづく