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Vol.72 真船奮闘記第1章閉幕〜地域おこし協力隊の3年間の振り返りと最後の仕事〜
ありがたいことに、担当している美唄シティプロモーション事業が大きくなりつつあり、インターン生も3人来てくれて、それと引き換えに真船奮闘記の更新が大変滞っておりました。振り返ると、奮闘記を始めた2年前は週1ペースで更新していた時期もあり、当時はだいぶ暇だったんだなと(笑)。(その時はその時で必死になって文章とにらめっこして苦しんでいた気がしますが、今になって逃げずに書いておいて本当に良かったなと思います。)
更新されていない間もずーーっと、タスク一覧の中には「真船奮闘記の執筆」が居座り続けていて、常に僕にプレッシャーを与え続けてきていました。ただそれ以上に、直近1年半分を遡って書くまでの記憶と気力もなく。
一方、今インターンで来ていただいている関本さんは、真船奮闘記を読んで応募してくださったということを聞き、このままフェードアウトしていくわけにはいかないと思いまして。今後の更新をここに誓い、これまでの分はここで供養させていただきます。
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久しぶりの更新となる今回のテーマは、前半では地域おこし協力隊としての3年間の振り返りをし、後半は協力隊としての期間での最後の仕事について書きます。その中で2つのイベントをお知らせしていますが、そちらはサブなので、宣伝に嫌気を差されずに最後まで読んでいただきたいです。また卒業後についても少し触れているので、現役の協力隊や今後協力隊を検討されている方の参考にもなれば幸いです。(そんな方への1つ目のメッセージは、noteは貯めて腰が重くなる前に踏ん張って更新したほうが良いということです。)
(改めて)本note『真船奮闘記』とは?
2022年5月より北海道美唄市の地域おこし協力隊として、シティプロモーションを担当している真船創太(まふねそうた)です。本事業は、シビックプライドの醸成を通じて関係人口の増加を目指しています。美唄の若者たちと「美唄の未来に夢を描く委員会」を立ち上げ、シンボル『Bibai Be Beautiful 美しくあれ、美唄。』を策定しました。ブランド確立に向け取り組みを進めている中での等身大の苦悩や、地域での暮らしのリアルを飾らずに発信しています。
前半:地域おこし協力隊の3年間の振り返り
僕は新卒で2022年5月に美唄市地域おこし協力隊として着任し、美唄シティプロモーション事業を立ち上げから3年間担当をしています。
詳細は頻度高く更新していた初期の真船奮闘記と、その後はメインの情報発信を譲った美唄シティプロモーションの公式SNSをご覧いただければと思いますが、自分でも読み返すと色々ありましたね。委員会の立ち上げに始まり、着任から1年後にはシンボルのリリース。そこからの2年間は、『美しくあれ』を周りにも自分にも言い続け、まちの方とプロジェクトをひたすら作り続けてきました。
この3年というのは、協力隊の任期であり、着任時から一つの節目と考えていたので、走り続けてきたこの期間を、一度事業としてと個人としての2つの観点から振り返っていきます。
事業としての3年間の振り返りと今後
まずは事業として。
はじめは若者たちの小さな声だった取り組みが、今ではシンボルの市内認知率63%、活動人口2000人超となり、市内にじわじわと浸透してきています。賞をいただいたり、メディアに取り上げていただいたり、そういった側面からも一定の成果は出してきたと自負しています。事業は概ね順調に進捗していると言えるのではないでしょうか。
担当者として客観的な評価は難しいところですが、「知っている」だけではない、「共感している」「一緒に進めている」と言ってくれる仲間も両手では数え切れないほどに増えてきました。
事業としては、来年度以降の予算の目処も立ち、最低限の目標であった4年目以降の事業の継続は達成できました。もちろんまだまだ事業の価値を伝えきれてない方々が市内にもたくさんいるのは知っていますし、市内のシビックプライドの醸成と並んで、事業の目的の一つである関係人口の創出はまさに今後注力していかなければならないところです。
事業の真価が問われる来年度は、さらなる動きを仕込んでいるので、発表をもう少々お待ちくださいませ。市内も市外もまだまだ巻き込んでいくぜ!
個人としての振り返りと今後
一方、個人として美唄での3年間をどう捉えているのか。
特に僕の場合、新卒として協力隊になっているので、卒業後のキャリアをどうしていくのか見えづらいという同じ悩みを抱えている人も少なくないかと思います。
結論から言うと、来年度からはもともと所属をしているまちづくり会社・FoundingBaseのメンバーとして、引き続き美唄の事業に関わることになります。
卒業が近づくにつれ、まちの人からは「卒業後はどうするの?」と、僕と同じように幾度と聞かれている(今後聞かれる)人も多いと思います。収益性より社会性の強い事業ゆえ、3年で自走させることは叶わなかったのですが、一定の価値を認めてくださり、4年目以降も関わり続けられることになりました。事業や会社の真船ではなく、個人の名前を出して一緒にまちを引っ張っていきたいとおっしゃっていただいたことが何よりも嬉しかったですし、個人としてはこれが3年間の成果であると誇りを持っています。
正直、地域に残り続けることに全くの不安要素がないわけではありません。大学の同期は大きな組織にも慣れ、彼らが海外転勤や新たなステップへと進む様子を、距離がいくら離れていようが(たとえ地球の裏側だろうと)、SNSはリアルタイムで見せつけてきます。
そんな遠くにいる仲間が羨ましく映るところもあります(多々、日々)。(昔はその感情を良いものではないと自己嫌悪を感じていましたが、今は隣の芝は青い現象だよなと割り切って向き合うことができています。)
僕は、僕がつくりたい社会を日々地域の方と描いて、その夢に向かって地道ながら一緒に進める仕事に誇りを持ち、地域での暮らしの豊かさを存分に享受しています。庭付きの2階建て1軒家を借り、夏は庭に仲間を呼んでBBQと焚き火。間違いない幸せです。仮にこの様子を自分が外から見ていたら、その場で別の幸せを感じているだろうけれど、火がより温かく感じることでしょう。(例外的に僕にとって雪だけは勘弁で、白以外に見えない。)
何個か前のnoteで、「できる唯一のことは、その瞬間の最善の選択をすること」と書きましたが、今後の色々と考えたうえで(毎日のように無限の別の人生を考えますが)、いまの僕にとっての最善の決断は、美唄に残って事業をさらに推進することでした。それが単純に自分にとって、一番ワクワクする決断でした。
3月1日(土)には、美唄の協力隊の活動報告会があります。こちらにも来ていただきたいですし、これとは別に最後にやらなければならないことがあります。
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そう、協力隊としての最後の仕事は、「仲間集め」です。
後半:最後の仕事とはメンバー募集
美唄シティプロモーションを継続・拡大するにあたり、新たなメンバーを募集します。ここでいうメンバーとは、地域おこし協力隊として、本事業を担当する人を指しています。
実はすでに一人は決まっているのですが、僕を含め4人(つまり2人を集めるというミッション)が必要なのです。
これまでは「美しくあれ」のもと、地域で”仲間集め”はひたすらやり続けてきたのですが、今回はこれまでとは違った仲間集めということになります。
冒頭で触れたインターン生しかり、興味を持ってきてくださる方が出てきている状況とは言え、就職・移住となると「人生をかけて挑戦をする価値があるのか・圧倒的にワクワクするか」という、この取り組みが人を動かせるものなのかという勝負になってきます。
その勝負は、もちろん応募者にとっても挑戦でもあり、何よりも発信側としての僕らの挑戦であるのです。
まちの魅力を伝える仕事ですが、仕事の魅力を文章で伝えようとすると実に難しい。やっていることと魅力を一言で表現すると、「自分の周りを楽しくできることを考えて、それを自分たちでつくっていくこと」であると考えています。
どういうことか。
環境は変えられないと思っていませんか?実は自分の周りは選択することができるし、さらには変えていくこともできるのです。都会と地方の比較は好きではないですが、分かりやすく東京ど真ん中暮らしを想定すると、自分が挨拶をしたって誰も返してくれない。そういった環境にいると、自分で環境を選択することはできても、変えることは難しいかもしれません。一方、美唄で通勤路で出会う人に挨拶をすると、最初は少し戸惑って返してくれたり、返してくれなかったりするけれど、次会ったときにはもうアイサツフレンド。些細な例かもしれませんが、それだけで少し(いや侮るなかれ、1日の幸福度の影響があるくらい)気持ちが明るくなります。少しの勇気さえあれば、環境を変えることはできるのです。(そして、これは実際に僕がやっていたことでもあるのです。)
美唄のような規模の地域であれば、”その人”を思って取った行動が、そんなに遠くないところで”あの人”の幸せにつながっている。それが自分に返ってくることだって少なくありません。まちの豊かさをつくる自らの仕事によって生まれた豊かさを、そこで暮らし自分も享受することができる。これがまちづくりの特権だと思っています。
主観的な話はこれくらいにして、どんな業務が想定されるのか、どんな方に来ていただきたいかをお伝えします。基本的なスタンスとしては、人数が少ないので、みんなで全部やるという姿勢でやっていますが、大まかに分類すると、以下3つのポジションを募集しています。
募集職種①企画担当者
プロジェクトをどんどん仕掛けていく特攻隊長的なポジションです。その一方で事業全体の進捗を管理しながら、戦略に基づいて施策を柔軟かつ速やかにトライし続けます。僕がやってきたやり方に囚われずにいてほしいですが、イメージとして僕が担ってきた役割になります。
僕が言える立場ではありませんが、こんな方にぴったりなのでは!という要素もそれぞれ書かせていただきます。
【こんな方にぜひ来てほしい!】
・新しいことにチャレンジするのが好き
・知的好奇心が旺盛
・マメなコミュニケーションが苦にならない
・つくりたい手触り感のある社会がある
募集職種②広報担当者
2つ目が、情報発信を引っ張り、SNSでの発信や広報紙ページの作成などを担当するメンバーです。ただまちの情報をそのまま出すのではなく、地域に入り込んでいるからこそ足で稼いだ1次情報をまちの文脈に合わせて解釈し、人を動かす情報として伝えられるのか。今はデザイナーのあやかさん(河口彩香)が担当していますが、必ずしもデザイン的なスキルがなくても、マインドにより重きを置きたいと考えています。
【こんな方にぜひ来てほしい!】
・自分や仲間がやっている意義のある活動を知ってほしい
・デザインや文章など伝えることを大切にしている
・新たな情報をキャッチするのを自然とやっている
・こだわりがある
募集職種③教育担当者
最後が、ビバ部(美唄まちづくり部)をメインに担当する教育メンバー。来年の大きな動きの一つとして、ビバ部の大幅なアップデートを予定しています。教育経験者でなくとも、年齢に関わらず一緒にプロジェクトを進める楽しさ・その中での学びの可能性を信じている人と一緒に1からつくっていきたいです。
【こんな方にぜひ来てほしい!】
・誰かの成長に伴走することになんとも言えない喜びを感じる
・子どもが好きで年齢関係なく接することができる
・こちらも経験を問わずで、学びの可能性を信じている
採用イベントもやります!
文章ではなく、生の声を聞いてみたいという方は、採用イベントにぜひご参加ください!
本イベントには、FoundingBaseのメンバーが代わる代わる登壇します。現美唄メンバーの2人も登壇予定で、僕は2.25(火) 19:00からのInstagram FacebookLIVE配信、あやかさんは2.28(金) 12:05からのzoomに出ます。
イベントに限らず、ご興味を持っていただいた方がいらっしゃいましたら、いつでもご連絡ください!カジュアルなお話大歓迎です。
最後に
協力隊として3年間、間違いなく良い経験をさせていただきました。一つの区切りとして、お世話になった方が本当にありがとうございます。そして肩書は変わりますが、これからもこれまで以上によろしくお願いいたします!
仲間集めは、協力隊の”最後”の仕事にして、”最大”にチャレンジングなミッションになりますが、新たな出会いを”最高”にワクワクしています。
”美しい”仲間、待ってます!!!
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