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まともな指導ができているか?

アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。

今回はちょっと、いやかなり良くない事例から運動指導者の在り方について考えて参ります。

実話ということにすると個人や団体が特定されてしまうかも知れないので、フィクションだと思ってください。笑


マラソンにチャレンジ!いざジムへ!

Aさん(仮名)は今年で60歳。何かにチャレンジしたいなと常々思っておられましたが、色々と考えた結果マラソンにチャレンジされることに。

とりあえずどう考えても完走する力がないので身体を鍛えないといけない、でも独力ではどうしようもないと考えられ、ジムへ行こうと思い立たれました。

Aさんの職場近くにはそれなりに名の通ったジムがあり、パーソナルトレーニングも可能とのことで、そちらへご入会されます。

専門トレーナーに見てもらえる!Aさんは楽しみにしておられました。


違和感、違和感、違和感

いざ初回トレーニング!

担当トレーナーはフィジークで入賞経験のある若い男性。

Aさんは当然そのトレーナーに対して、マラソンにチャレンジする旨を伝えられます。

私がAさんの担当トレーナーだったら、まずちゃんと走れる状態なのかを確認します。それは身体の状態チェック、立ち方や歩き方や走り方のチェック、そしてそれらの調整や修正といったことですね。

これは”まとも”なトレーナーなら必ずそうするはずです。

しかしAさんは早くも違和感を覚えます。

「これってフィジークのトレーニングじゃない?」と。

上腕や肩の「筋トレ」、マシンを使った「筋トレ」、次はもっと重量を上げましょうと「筋トレ」……。

Aさんは聡明な方で幸いでした。

すぐに違和感に気付かれたのですぐにそのジムを辞められたので。

でもこれ、気付かなかったら(お客様は専門家ではないから気付かないのが普通なのかもしれない)、いつの間にやらフィジーカーに仕立てられていたかもしれません。

フィジークは立派なスポーツですが、マラソンにチャレンジするという目的に対しては方向性が違います。

このトレーナーはトレーナーとは呼べません。

自分の知っている「筋トレ」をただ真似させるだけのトレーニーでしかありません。

自分のボディメイクにだけ集中しておきなさい、と言いたい。


氷山の一角である

Aさんが見舞われたような事例は他にもゴロゴロあるらしいのです。

まさに氷山の一角

こちらのメディアの過去記事をご覧頂ければご理解頂けると思いますが、俗にいう「筋トレ」というのはトレーニングの一種にしか過ぎません。

それが悪いということを言うのではありません。手段として適切なのであればそれでいいのですが、不適切なのであれば改める必要があります。

しかし昨今のパーソナルトレーニングブーム(?)においては、世間一般の認識がパーソナルトレーニング=「筋トレ」になっています。

私のお客様でも「パーソナルトレーニングに通っている」とお知り合いにお話になると、「え?ムキムキ目指してんの?」という返答ばかりとのことです。

パーソナルトレーニングというサービスが世に浸透していくのは非常に喜ばしいことですが、こういう広がり方は至極残念です。

マラソンにチャレンジしたい人が、鎧の様な筋肉を纏うことなど誰が考えたっておかしい。でもそういうことをやっている。情けない話です。


1人でもまともな人が増えますように

恐らく私のメディアに辿り着いた人は”まとも”な指導者を目指している方、”まとも”に成長し続けたい方なのだと推察します。

私もまさにそれを目指し一生勉強していくつもりです。

ただこれはどの世界でもそうですが、”まとも”なものというのはあまり目立ちません。

ややトリッキーな物事の方が目立つのです。

しかしこの仕事は”まとも”にやらねばお客様や選手の人生を悪い方へ導くことになりますから、目立たないとしても”まとも”であり続ける必要があります。

そういう人が1人でも増えることが大切です。


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