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ブランドにおける"色"を今一度考えてみる【海外記事メモ】

ほぼ日(といいつつ不定期に)海外の記事をまとめています。

今日はこの記事を読んで内容のまとめや自分なりの考えを書いていこうと思います。

デザイナーとして仕事をする上で、色との付き合いは切っても切り離せないものです。

しかし恥ずかしながら自分自身ちゃんと体系的に色について学んできてなく、わりと感覚的に選んでしまっている部分がありました。

しかし特に今日の記事のようにブランドイメージを作るような仕事においては色の選択というものはブランドの生命線と言っても過言ではない超重要なテーマです。

この記事の内容を自分なりにまとめながら、今一度色に対して学んでいきたいと思います。

1.ブランドアイデンティティを明確にする

色を決める前にまずはそもそもとして立ち上げようとするブランドの核となるアイデンティティを明確にする必要があります。

ブランドアイデンティティは他社とどのような差異があるのかを示すブランドの独自性となる部分で、そのブランドの持つ歴史に由来するものであったり、注力する技術に起因したりします。

ブランドアイデンティティが明確になることで、ロゴデザインや正しいフォント選びも可能となり、色の選択もそれに付随して精度高く選択することができます。


2.色彩心理学の基礎を理解する

色にはそれぞれ意味や人に想起させるイメージが異なります。

赤:
興奮やエネルギーを想起させます

オレンジ:
遊び心 を感じませます-オレンジは多くのブランドにとって魅力ある色です-

緑:
リラックスを想起させ、「最も好きな色」として挙げる人も多い色です
自然や安定、繁栄を象徴します

青:
ブランドカラーとして最も使用される色の1つです
信頼と安心を想起させ、人々を落ち着かせる効果があります

白:
シンプルさや清潔さを想起させます

黒:
洗練された高級感を印象付けます

多くのブランドではこれらの色を繰り返し使用しています。

他のブランド、特に競合となり得るブランドに対しては、彼らがどのような色を使用しているのかをリサーチすることは良いことでしょう。


3.メインカラーを決める

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ブランドでは限られた色が使用されていますが、前述の通り使う色によって人に与える印象が大きく変わります。

まずあなたのブランドが示したいイメージに合う色を決めましょう。そのブランドに接する人にどんな印象を持ってもらいたいでしょうか、あるいは彼らはブランドと接している時どのような行動をするでしょうか。

コカ・コーラの赤や、VISAの青のように、ブランドの思想の核心を表現するメインとなる色を選択してください。


4.セカンドカラーを決める

セカンドカラーはメインカラーを補完する役割を持ちます。セカンドカラーを決めておくことで、パッケージングやWebサイトを作る場合のデザインの手助けになります。この色はブランドにマッチするだけでなく、メインカラーとの相性も重要になります。


5.ニュートラルカラーを決める

ニュートラルカラーは、背景やテキストなどで使用する色です。

これらはメインカラーのような注意をひくためのものではありませんが、メインカラーとセカンドカラーとの調和が重要になります。

主に黒やグレー、ベージュなどが使用されます。


6.カラースキーム(色の相性)を考慮する

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選択したメイン、セカンド、ニュートラルカラーがカラーウィール(上図)を使用してそれぞれどのように関連しているかを示すカラースキームを考慮しておくことは非常に重要です。

一般的にはブランドは1つのカラースキームを使用しています。

Monochromatic(単色):
1つの色に対して異なる明度の色を選択する方法です。例えばメインカラーを緑とした場合、セカンドカラーは明るい緑か暗い緑となるでしょう。

Analogous(類似):
カラーウィールの中で距離の近い複数のカラーを選択する方法です。それらはそれぞれに調和のとれた関係性を持ち合わせています。

Complementary(補完):
1つの色に対してカラーウィールの正反対の色を選択する方法です。

Triad:
これは色をカラーウィール上でトライアングルになるような選択をすることです。具体的にはAnalogous(類似)とComplementary(補完)を組み合わせた色の選択になります。


7.ブランド色を評価する

業種によっては、Webサイトや小売店の包装紙でこれらの色を使うことになるかもしれません。しかし、使う場所によって色のバランスが異なってしまい、相手に与える印象を変えてしまう場合があるため、各所で色がどのように使われるかは適宜確認をして修正していく必要があります。
(例えば、Webサイトではブランドカラーのメインよりもセカンドやニュートラルの印象が前面に出過ぎてしまっている場合があります)

しかしどんな色を選んだとしても、色について考える時間は非常に価値あるものとなることでしょう。

色はブランドの長い命の中でその権威性や認知の拡大に重要な要素となります。いくつか従わなければならないルールはあるものの、適切な色を選んでよりよいブランドを作り上げていきましょう。


所感:業種イメージと個性の間で揺れる色選択の難しさ

以下は感想や個人の意見になります。

色の持つ重要性については前述のとおりで、ブランドの色はブランドのアイデンティティを示し、他と区別できるものでなくてはなりません。

一方で、経験上往々にしてそのブランドが属している業界の中の「お作法」「ドレスコード」なども考慮に入れる必要に迫られることも多く、この狭間で結構難しいジャッジをブランドマネージャーは行わなくてはならなかったりします。

例えばIT系、特にBtoBなど固めな業種のコーポレートサイトを見ると9割以上が青をメインカラーにしています。どこも青、青、青

これは(単純にそれぞれの会社がブランディングの意識が高くないというのもありますが)その業種内にあるドレスコードが強く作用している場合があります。

自社のサービスを顧客へ示す際には自社の個性を出すことと同等以上に、「このサービスは変なものではないですよ」という信頼感も相手に与えなくてはなりません。

その際にどうしてもその業界で使われる一般的な色を選択せざるをえないことが結構あったります。個性を生み出す仕事のデザイナーがみんな揃ってMacBookを使うようなものだと思います。(違うか

このような「業界のドレスコードに従って信頼感を与える」と「他との違いを示す」というジレンマをどのように解いていくのかが難しいところであったり、ブランドづくりの面白いところだったりするなぁと考えたりしています。

あと、個人的にこの「ブランドと色」の関係について非常に勉強になった本を紹介します。昔何気なく図書館で借りて読んだらめちゃくちゃ面白くてそのまま購入してしまいました。あまりメジャーな本ではないかもしれませんが、色とブランドの関係性について非常に考え方がクリアになりました。

ではよい日曜日を!

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