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中国・成都で本格激辛料理を食べる
チベット・インド旅行記
#10,成都
![成都9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54483181/picture_pc_c9234bd137fa04fa432b9d20cca701ab.jpg?width=1200)
【成都(チェンドゥ)】
中国内陸部に位置する地方都市、四川省の省都。
古く三国志の時代には蜀として栄えた歴史を持つ。絶滅危惧種でもあるジャイアントパンダの保護動物園もある。チベットエリアへ向かう為の玄関口としても有名。
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昨晩から降り続けた雨は明け方には止み、うっすらと霞みがかった街は今、目覚めようとしている。
シャッターの閉まった店先からのっそりと起き上がり、とぼとぼと歩き出した。
肌寒い夜、野宿のせいで朝からすこぶる体調が悪い。
頭の中で除夜の鐘をガンガン鳴らされているように痛い。
もう、こうなってしまっては安宿を探すどころではないので、ちょっとぐらい高くても仕方がない。と、街の旅行案内を広げ、めぼしいホテルに向かう事にした。
駅から55番の路線バスに乗り、新南門そばの「交通飯店」というホテルにチェックイン。
先日までの苦戦はどこへやら、あっという間に部屋を用意してくれた。(1泊600円、40元)
![成都3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54482399/picture_pc_7ba7debd34a41cf3c0a85e5e5855f557.jpg?width=1200)
部屋は相部屋になっていて、髭を蓄えていかにも旅人風のにーちゃんが先客で入っていた。
挨拶もそこそこに、体調が悪い旨を伝えベットに寝転がると、親切にも頭痛薬をくれた。
薬を飲んで泥のように眠る。
同室のにーちゃんはケンさんと言って、奈良県出身の31歳。
昨日までのエピソードを話すと、笑いながらこう言った。
「わっはっはっは、そりゃ、安宿は断られて当然だよ!中国の公安が、外国人に汚い宿は見せたくないからって、安宿は禁止しているからね。宿の主人も罰則を怖がって外人は泊めないんだろうね。」
なるほど、折しもその頃は北京オリンピック前。
旧市街を急ピッチで取り壊して街並みを作り変えたりと工事の真っ最中。
外国人には古い街並みや、貧富の差は見せたくないのだそうだ。
てっきり反日感情で宿泊拒否されたと思って損をした。
![成都4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54482470/picture_pc_b960202aa870e6b0a6b2650095b6a0ad.jpg?width=1200)
そんな大工事が中国の至る所で行われていた2004年。
成都の町も例外ではなく、街の中心地は高いビルが立ち並び、メインストリートにはガラス張りのアパレルの店や、ファーストフードの店が立ち並んでいる。
(2ヶ月ぶりに食べたマクドナルドは、悔しいけれども美味しかった…)
![成都5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54482589/picture_pc_4a33aac42e0efc87b315a0d53b9e19c6.jpg?width=1200)
とはいえ、一本通りを挟めばそこは旧市街。
裏通りに入ると、土埃で真っ黒になった少年たちが、わらわらと物乞いにやってきて衣服を引っ張ってくる。
顔立ちからしてチベッタン(チベット人)だろうか?
1角紙幣(1,4円)を渡すと、蜘蛛の子を散らすように去っていく。
つぎはぎだらけで舗装の剥げたアスファルトには穴が開いて泥水が溜まっている。
安アパートの壁は崩れ、トタンは剥がれ、瓦礫の山が積み重なっている。
道端には、安物のプラスチックテーブルに麻雀セットを置いたおっちゃんたちが、1杯1元の安ラーメンすすり、痰を吐きながら、対局に夢中になっている。
そんな街並みを眺めながら、日がなブラブラと歩いて過ごした。
![成都6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54482633/picture_pc_a9781811819c2b707a28ff4777b55420.jpg?width=1200)
ケンさんからもらった薬のおかげで、頭痛は治ったけれども。治ったら治ったで、今度は腹痛がひどい。
中国に入って以来、水が合わないのか、油が合わないのか、基本的にお腹を壊しっぱなし。(水は必ずボトル入りのものを飲むようにしている)
体調が戻るまでは、しばらく成都でのんびりする事にした。
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四川省といえば、言わずもがな麻婆豆腐が有名。
早速、地元の食堂に行ってみる事にした。
ちなみに中国料理では、辛いという表現にも種類があり。
ただ辛いならば「辛(シン)」
痺れるような辛さには「麻辣(マーラー)」を使う。
麻婆豆腐を代表する四川料理には、基本的に「麻辣(マーラー)」なのだそうだ。
痺れる辛さね〜。どれどれ?
興味津々で、テーブルに運ばれてきた麻婆豆腐を見てびっくり。
真っ黒に練り上がった濃厚な麻婆ソースの上に、ギザのピラミッドのように大量の山椒が、こんもり振り掛けられているではないか。
山椒が麻婆を覆い尽くして、全く底が見えない。
![成都7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54482728/picture_pc_b9fa2b99b35b463d90cb4c94d6beec9d.jpg?width=1200)
四川料理の特徴は、とにかく大量に使用する山椒(正式名称は花椒、ホァジャオ)にある。
おそらく麻婆ソースにも大量の花椒が練り込まれているのだろう、レンゲで一口すくって食べると、途端にピリリと、舌を刺すような刺激が身体中に走った。
まるで電気ショックである。
覚悟を決めて一気にかき込むと、ピリピリと次第に痺れが全身に伝わってきて動けなくなった。
長時間正座をした後の痺れというか、膝の軟骨を角にぶつけた後の痺れというか、そのまま机に突っ伏してしまった。
恐るべし四川料理、お腹の調子もさらに悪化の一途を辿る。
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以後は、食事で冒険するのは止めて、おとなしく朝粥とフルーツで毎日を過ごし、段々と体調が戻ってきたのを機に、成都の街を発つ事にした。
旅の進路はさらに西へ、険しい山々のさらに奥。
いよいよ四川省のチベットエリアへと足を踏み入れる事になる。
![成都1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54482261/picture_pc_e84220e8d351eec742e7c218f609cdc3.jpg?width=1200)
⇨ 東チベットエリア編へ続く
![成都10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/54483425/picture_pc_0e687623192fc2c66de85f520ce0d648.jpg?width=1200)
【おまけ】成都の旧市街を人力で壊すおっちゃんたち。2004年撮
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