前多が最終話まで視続けた'22年10月開始アニメ評価
昨年11月1日に投稿しました「私が視た'22年10月アニメ新番組一覧」の結果報告ともいうべきものです。
2022年10月にスタートしたアニメが対象です。
昔は2クール(全26話)でも放映期間が短いと感じたものですが、近年は3ヶ月毎に改編のため1クールどころか、それにも満たない作品があります。よって、ほとんどのアニメが年末で最終回を迎えました。
そこで、備忘のために10月スタートのTVアニメで最終回まで視ていたものを列挙します。
さらに、ただ挙げるだけでは芸が無いので、私の“独断と偏見”に満ちた寸評を添えました。
受信できるチャンネルは地上波放送のみです。
ネット配信の視聴は一切行っていません。
作品の掲載は順不同です。
機動戦士ガンダム 水星の魔女
レコーダーの録画セットミスのため第11話を視ていないことから、第12話をまだ視ていない。金曜深夜の再放送で11話と12話を視るつもりなので、今回は一覧から除外する。
ゴールデンカムイ(第四期)
主要スタッフの死去により、11月7日の第42話をもって放映が中断しているのが本当に残念。来年4月からの再開が楽しみでならない。
原作を全く読んでいないことからストーリーの全体像が掴めないため、分かりづらい点があるものの、それでも面白く毎週視るのが楽しみだった。
ヴィンランド・サガ
今期(10月開始)のアニメ、しかも新番組ではないが12月に終了したので入れる。重厚感あるストーリー展開に圧倒されたと同時に魅了された。なかでもアシェラッド役の内田直哉が魅力的な大変良い演技でまさに好演だった。新シリーズを期待している。
BLEACH 千年血戦篇
「零番隊」の登場には驚いた。原作を全く読んだことが無いため、筆者が知らないだけかもしれないが、加上説的に、後付けでキャラや設定が登場するのに苦笑しながらも、作品世界を楽しめた。7月が待ち遠しい。ドンドチャッカ役で故 郷里大輔がライブラリー出演していたのには非常に感慨があった。
忍の一時
中盤の学園生活をメインに展開かと思いきや、ハードな忍者抗争モノで驚いたと同時に楽しめた。主人公である一時の性格設定がシリアスなストーリー展開から、少々乖離した感があったのは残念。あと、国家安全忍術案件対策部(安忍)の描写が消化不良気味なのが不満に思う。
チェンソーマン
シリーズ構成・脚本が瀬古浩司、制作はMAPPAというだけあり、凄まじい展開で面白かった! 原作は全く読んだこと無いのだが、近年の傾向から展開は原作通りなのだろう。とすると原作者はキチガイだ(誉め言葉)。やはりクリエイターは狂気がないと勤まらない。つまらない常識人にはなれないということ。毎回違うED曲とアニメには驚いた。今期の覇権を獲ったのは本作だろうか。
ヤマノススメ Next Summit
視ていると心が満たされる大変良質な作品だった。脚本・作画・演出・キャスティングどれをとっても破綻が無く、安心して視ていられた。このような良い作品に出会えることは本当に嬉しい。
Do It Yourself !!
ちょっと独特と言えるキャラのタッチからシュールな展開を予想したが、DIY部を通しての人のめぐり逢いなどを描いた、正統派なストーリーで好感が持てた。各キャラもおざなりにならずちゃんと立っていて良い。ただ、ドローンが飛び交うといった、近未来の設定を活かしきっていなかったのが残念。
アキバ冥途戦争
第1話の本格的な銃撃戦にはギョッとしたものだった。そして直ぐに、“このアニメはメイドの姿をした893の本格的抗争を描いたバイオレンスもの”と合点すると、後は大変面白く思い、毎週視るのが楽しみになった。第4話のラストように、言わば“ボールの投げっぱなし”もあったものの、さすが制作がP_A_WORKSだけあり全体的に破綻の無い作りだったと思う。関東の秋葉原が舞台なのに、拳銃を“ハジキ”ではなく関西風に“チャカ”と呼んでいたのは気になってならなかった。「チェンソーマン」が同時期に放映されなければ、今期の覇権は本作が獲っていただろう。
うちの師匠はしっぽがない
今期の中では地味な存在だったが、充実した出来の良いアニメ。こうした“時代もの”は考証の点でセリフや背景美術に齟齬が生じ易いものだが、少なくとも筆者にはそれが見当たらず感心した。単なる落語の修業ものではなく、主人公が化け狸という設定が一層面白味を増していた。その主人公・まめだ役のM・A・Oの熱演に好感が持てた。霧の圓雨役で紡木吏佐の出演も嬉しい。
羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来
かつての東映動画の劇場用長編アニメーションを思わせる雰囲気だった。個人的な好みの問題かもしれないが、少々観念的というか、とっつきにくいところがあった。そのため回の冒頭に前回のリピートを入れるなど、構成に一工夫欲しかったと思う。
SPY×FAMILY
シリーズ構成・監督が古橋浩一だけあって、全体的にソツのない安定した作りで面白かった。今後も楽しめそうだ。
ぼっち・ざ・ろっく!
これも筆者の好みの問題だが、“ひとり”が言わば“いじける”場面が冗長に感じ鬱陶しくてならなかった。この点以外はおおよそ破綻が無く、毎週楽しめた。これほど人気が出るとは少々意外に思う。今期のダークホースか。
ポプテピピック TVアニメーション作品第二シリーズ
さすがに第一シリーズよりはパワーダウンし、面白さが減退していた。第一話と最終話の蒼井翔太のくだりは制作者の自己満足のようで、視ていて苦痛だった。この大川ぶくぶの漫画「ポプテピピック」とどこが関係あるのだろうか。悪ふざけにも程がある。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とは良く言ったもの。
ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION
劇場用作品をTV用に再構成したものなので、作画などとにかく質の高さを堪能できた。ただ、第5話「決死行」をはじめ、キャスカの裸にボカシが入っていたのは失笑。ガッツの剣戟で生首が飛ぶシーンがOKで、女性の裸はOUTという判断基準はおかしい。しかも放送時間は24時半から、何の為の深夜放送か。近年の自主規制とやらは異常に思えてならない。
うたわれるもの 二人の白皇
10月スタートではないが同時期に終了したので入れる。シリーズの終章に恥じないレベルの高い作品で、奥深い設定に感嘆した。キャラクターもキャスティングの良さも相まって面白味があった。ただ、前作から本作まで間があったため、これまでのストーリーや設定をすっかり忘れており、よって今ひとつ作品世界に入り込めなかったのは残念でならない。
以上、全16作品です。
私としては多かったです。農作物に譬えるなら2022年10月期は結果として豊作だったと言えるでしょう。
どのアニメも毎週視るのが楽しみだったからこそ、最終回まで視続けることができました。その中で敢えて特に良かったものを挙げるならば、「アキバ冥途戦争」「チェンソーマン」「BLEACH 千年血戦篇」でしょうか。
※文中敬称略
おわり