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Conditioning|コンディショニングって何?


こんにちは!

理学療法士の前田です🤗


今回は『コンディショニング』について簡単にご紹介させていただきます✨





1.はじめに


 昨今、2019年のラグビーワールドカップ日本大会、2021年東京オリンピック・パラリンピックの開催、2023年のWBC優勝にあたり、これまで以上にスポーツへの関心が高まっており、それに呼応するかのようにスポーツ科学も日々進化を遂げています。


全てのアスリートは最高のパフォーマンス発揮と外傷・障害予防のために、コンディションを良好に保つことが勝利の鍵を握っている。(和訳)

(Christphe.2014)

選手の普段からのコンディションやコンディションを崩す要因を把握し、管理しておくことが試合での良好なパフォーマンス発揮に繋がる。

(長谷川と小島.2016)


スポーツの現場だけに限らず、健康意識が高まっている現代では、『コンディショニング』や『コンディション』など耳にする場面が多いですが、しっかりと意味や内容を理解することも大切です。





2.コンディショニングとは?


 まずコンディションとは、​​​「状態」「体調」「条件」​​​という表され方をしており、​​​​​​「体力」「精神」「技術」「医療」「栄養」「環境」​​​​​​といった要因から影響を受けていています。

コンディショニングとは、これらの要因から総合的にアプローチし、運動競技や日常生活動作において最高の能力を発揮来るように精神面・肉体面・健康面などから状態を整えることをいいます。


影響を受ける要因としては以下のようなものがあります。

🔸体力面:筋力トレーニング、柔軟性トレーニングなど
🔸精神面:ストレスケア
    (オーバートレーニング・気候・体調・病気・プレッシャーなど)
     メンタルトレーニングなど
🔸技術面:バイオメカニクス(動作解析)など
🔸医療面:スポーツ医学、アスレチック・リハビリテーション
🔸栄養面:スポーツ栄養学 など
🔸環境面:運動生理学 など




3.コンディショニングピラミッドについて


 コンディショニングには、コンディショニングピラミッドやパフォーマンスピラミッドと呼ばれる理想とするトレーニングの順番をピラミッド型に表した考え方が多く用いられます。

 一番下の層が土台となり、順番にトレーニングを行うことでパフォーマンスが向上するという考え方です。スポーツの現場で使われることが多いですが、健康的で再発しにくい身体作りのためにとても大事な考え方になります。





①機能的動作(ムーブメント)

 ピラミッドの最下層であるムーブメントは基礎的な動きのことで、全ての動作の土台部分にあたり、スポーツをしている人に限らず、全ての人にとってとても大切な部分になります。

 例えば、筋力や柔軟性が乏しい状態で、筋トレやスポーツを実施すると、関節や骨など身体のどこかへの負担が生じてしまうように、土台であるムーブメントがしっかりしていないと上段の2つは崩れてしまい、怪我や慢性的な痛みの原因となってしまいます。

つまり、パフォーマンスを上げ、怪我をしにくい健康的な日常生活を送るためにムーブメントという『土台』をいかに安定させるかが重要になります。



ムーブメントを安定させるためのトレーニングとして、、、


🔸関節の可動域や柔軟性をあげるトレーニング(ストレッチやマッサージ)
🔸関節の可動性や安定性をあげるトレーニング(インナーマッスルの活性化)
🔸固有受容器を鍛えるトレーニング(バランスなど)
🔸正しい動きを習得するトレーニング      など

​​​『身体環境(土台)を整えるトレーニング』​​​が主体となります。




②身体機能(フィジカルパフォーマンス)

 筋力、スピード、敏捷性、パワー、持久力などの要素があり、競技力向上やボディメイク、身体の引き締めなどがここに含まれます。

敏捷性(アジリティー)って聞いたことありますか?

スポーツをやっている方は馴染みがあるかもしれませんが、動作のすばしっこさや機敏さを意味する言葉で、競技には欠かせない要素の一つです。

サッカーでは、ダッシュやドリブルの加速、減速、方向転換、急ストップ、急発進といった要素が該当し、『ラダー』(上図)などの道具を使ってトレーニングを実施したりします。


しかしムーブメントがしっかりできていても、、、
それだけではスキル向上や理想の身体を手に入れることはできません。


ムーブメントを整えた後に、目的に合わせて次のステップへ進んでいきましょう。


🔸パワーが必要なスポーツなら、パワー系のトレーニング
🔸身体を大きくしたいのなら、筋力トレーニング
🔸速く走ることが必要なら、スピードのトレーニング

​ など『目的に合わせた底上げトレーニング』を実施していきましょう。​





③スキル

 野球でいう『投げる』『打つ』などスポーツにおける​特異的(競技特有)な動作​や技術、集中力やひらめきなどが含まれ、『競技特性に合わせたトレーニング』が主体となります。​


ただし、スキルだけが勝敗を分けるわけではありません。

いくら技術があっても体力が乏しければ、集中力は続きませんし、いくら飛距離を伸ばそうとしても柔軟性やパワーがなければ、飛びません。


グレイ氏は、ピラミッドのバランスが保たれた状態、つまり安定した土台の上にフィジカルやスキルが乗ることによって、パフォーマンスを最大限発揮することができると述べています。


より高いスキルを習得するためには、土台である『ムーブメント』や動きの質を高める『パフォーマンス』領域の充実が必要不可欠になります。


なかなかパフォーマンスが上がらない、練習しても上達しない、故障が多いなど何か不調を感じている方は今一度練習メニューや身体の状態を見直してみてはいかがでしょうか?




4.おわりに


 トレーニングやコンディショニングと聞くと、一般の方には馴染みがないように思われるかのしれませんが、土台の「コンディション」=「身体を整える」ということが生活の質やビジネスパフォーマンスを高めるだけでなく、スポーツを全力で楽しむ、新しいことにチャレンジをするといったこともできるようになり、より人生を健康に、幸せに過ごすことができるのではないでしょうか。




最後まで見ていただきありがとうございました。

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参考資料
1. Gray Cook (2012) 『MOVEMENT』, On Target Publications
2.鈴木岳(2019)『ジム通いビジネスマンのトレーニングを10倍楽しくする方法』,クロスメディア・パブリッシング​



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