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【映画感想文】人と人が分かりあうためには何が必要か|クラッシュ
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昨日の記事で、「自分の信念を守りつつもwin-winな選択肢を持とう」ということについて書いた。
ただ、信念を守るべきではない場合も考えられる。
これにまつわる話として、クラッシュという映画を紹介したい。
クリント・イーストウッド監督の『ミリオンダラー・ベイビー』で劇場用映画の脚本家デビューを果たしたポール・ハギスの初監督作品。天使の街、ロサンゼルスで紡がれていくさまざまな人種、境遇の人々の物語を鮮烈に描いた本作は全米公開されるや、メディアからの絶賛を浴び、第78回(2005年)アカデミー賞では6部門にノミネートされ、作品賞、脚本賞、編集賞の3部門を受賞。
アメリカにおける人種差別をテーマにした作品。黒人と白人の二項対立だけではなくて、アジア圏だったりと、様々な国の人も登場する。主人公という役割のキャラクターが存在せず、登場人物の視点が入れ代わり立ち代わりやってくる。
日本ではあまり意識されることのない、人種的な対立と、各個人がもつ考え方の衝突について描いた面白い作品だと思う。
黒人の中でも、
白人を毛嫌いする人
白人に脅かされながらも、白人に対して特に壁を感じていない人
白人と共存するための生き方を選んだ人
など、様々な思考や背景を持つ人が登場する。白人の描写も同様で、
黒人と共存したい
黒人が嫌い
とか。
観てて感じたのは、
自分が今持っている考え方が、育った環境や成長する間に起きた出来事、親との記憶、社会制度などによって形成されているものであるということ。そして、その考え方 (≒信念) によって自分の言動が左右されるのだ。
さらに、そういった考え方は、人との関わり合いや出来事の中で、強まったり、塗り替えられたりするということ。自分の考え方や思想と対立する相手や現実に出会った時に、それを受け入れられるか、権力や暴力でねじ伏せるのか、目を背けるのか。
いろんな信念を持つ人々が衝突(クラッシュ)し、その出来事からお互いを理解し、自分の信念への調整を行うことで、社会がよりあたたかくなるのではないかと訴えている作品だと感じた。
特に、白人vs黒人という構図なんかは、信念によるものとしか思えない。同じ人間として、同じ国に生きているはずなのに、どうして分かり合えないのだろうか?
「こう見たい」と脳が思っていたら、そのようにしか見えなくなる。それが信念の力である。自分の中の何かが、現実を作っているということを意識できる作品としても、おすすめできるので、ぜひ見てほしい。