今シーズンの企画中。手前味噌の循環と広がりを考える【つくり手であること】
お味噌、お好きですか?
昨今「手前味噌」を仕込むという人も非常に増えた気がします。コロナ禍となって迎えたこの冬、いざ初めての味噌仕込み、という方もいるかもしれません。
わたし自身も、自分でつくったり作らなかったりした時期を経て、今では毎年の恒例行事。だいたい1〜4月の仕込みシーズンのうちに数回。いま絶賛、今年の予定を考え中です。
味噌仕込みの基本的なプロセスはいたってシンプルで、
麹、塩、潰した大豆を混ぜて、容器に収めて、1年弱寝かせる
これだけではあるのですが、そうは言っても、
・麹は米なのか麦なのか豆なのか?自分で仕込むのか、買うのか?
仕込むならどうやって?買うならどこから?どのくらい必要?
・塩の種類は?量は?
・大豆を潰すってどうやって?煮るの?蒸すの?どこの豆?
・容器ってどんな容器?どう収めてどこで寝かすの?
と、シンプルだからこそ、たくさんの「?」マークが浮かんでくるものです。
わたしが何度も味噌を仕込む理由もここにあって、麹の種類や、材料の割合、豆の種類や、火入れの違いなど、数種類の味噌をつくりたいがためです。
1度にたくさんよりも、1回の作業は短く簡単にして、何度もする感じ。
普段の料理の前後など、少し時間が作れるときに、自分ひとりだったり夫と一緒だったり、そのときによって色々ですが、生活の一部として味噌を仕込む。少量を何種類かつくるのと、あと、恒例である友人たちとの合同の味噌仕込みも毎年楽しくやっています。
昨年2020年はこのブログに書いた4種類と、大豆の代わりに野菜や穀物でつくった味噌が、大根、玉ねぎ、里芋、枝豆、納豆の5種類。どれもそれなりにおいしく仕上がりました。
"うちの数だけ、みその味"
初めて自宅で自分で味噌仕込みするという人にオススメしたい動画はこちら。
私もお世話になっている発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが2011年につくった「手前みそのうた」は、これ以上ないほどにわかりやすく味噌仕込みが説明され、脳内で永遠にリピートする見事な音楽です。
久しぶりに見たらものすごい再生回数になってびっくりしました。やっぱり手前味噌人口が増えてるんですね。いや、もしかしたら、先にこれ見て触発された人が手前味噌をつくり始めるのかな。
この曲で個人的にいちばん好きな部分はココです。
「うちの数だけ、みその味」とはまさに。正解があるようでないというか、もう全部正解なんですよね。
我が家で同じ材料で合同で仕込んだ味噌も、友人それぞれの家で1年近く熟成された後は微妙に味が違ってきます。でもそれぞれがみんなおいしい。これってすごく面白いと思いませんか。
ちなみにこれだけ色々作るけど、同時にお味噌屋さんの味噌を買うのも大切にしています。お味噌はピンときたらためらわずに買うことにしていて、何種類もストックし、その日の気分や食材によって使い分けたり混ぜるのが大好きです。
さて今シーズンの手前味噌は
しばらく考えていましたが、今これを書きながらだいたい決めました。
・合同でつくる定番の米味噌と、
・甘口で早く仕上がる白味噌、
・麦麹でつくる麦味噌、
・豆麹で2年熟成させる豆味噌、
あと母が送ってきたおいしい花豆があるので、それで少し甘めの味噌を仕込むのもいいかな。
最後に定番の紹介
オーソドックスで定番的、米味噌の作り方は去年greenzで記事にしました。ここでは約6キロの味噌が仕上がる分量を紹介しています。
なぜ6キロかというと、お味噌汁1杯に平均15〜17gの味噌を使うので、毎日1杯だと16g×365日=5,840g、ということ。もっと少なくていい場合は、半量または1/3に変えて仕込むことができます。仕上がり1〜2キロ分は作業も手軽だし用意も熟成も楽ちんです。
みんなみんな、今年もおいしいお味噌がつくれますように。
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映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…
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