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夏のトマトに、秋のきのこ。未来の自分を助けてくれるご自愛食【つくり手であること】

トマトが苦手な人には申し訳ないのですが、私にとってトマトは、何にしてもおいしくて幸せの味。ファストでジャンクなフードから、しっかり手間暇かけて作る料理まで、欠かせない食材です。

夏にたくさん食べたくて家庭菜園にも苗を植えますが、夏はおすそ分けいただくお野菜もトマトが多くなるし、さらにトマトは品種が多いので初めて見る品種に出会ったらお店でも買う。故にトマトを食べ続けるのが夏の風物詩です。(あと茄子ね)

トマトがシーズンオフの時期はトマト缶が便利ですよね。すでにピューレにしてあったり、カットされた水煮缶など、開ければそのまま鍋に入れることができる。いろんなメーカーのを食べ比べたりしてトマト缶にハマった時期もあったのですが、その後しばらくトマト缶を買うことに躊躇するようになりました。それはこの映画を観たからです。

フランスのジャーナリストの方が書いた本を原作として作られたドキュメンタリー映画『トマト帝国』は、「あぁ、やっぱり、グローバルな規模で一つの食材が流行ることの背景には様々なことが絡んでくるんだな」と実感した作品でした。

そこで思い出したのが尊敬している先輩女性のひとり、中島デコさんが何気なく言っていた「自家栽培したトマトで、一年分のトマトを保存食にできたら最高だよね」という一言でした。

確かに、筍も水煮で瓶詰め保存したりするし、トマトも自分で水煮して脱気しておけば一年くらいもちそうだな、と思ってやってみることに。しかも幸運にもちょうどデコさんに取材できる仕事の機会もあり、トマトピューレの作り方を直伝いただいたのです。

以来(さすがに1年分とはいきませんが)ホールもピューレも保存用につくるようになり、万が一同じタイミングに大量のトマトが手に入ったとしても傷ませることなく、おいしいまま少し先延ばしできるようになりました。

旬のおいしさを自分で閉じ込めておくことで、秋冬など根菜以外のフレッシュな野菜が恋しくなった時に「夏にこれ作っておいてよかった!」と自分を褒めたたえたくなるようなトマト缶の存在。デコさんの承認のもと今年は連載記事でも紹介させていただきましたので、作り方に興味のある方はぜひお試しください。

そういえば自然派の民が大好きな映画(元は漫画)「リトルフォレストの夏編」でもトマトの保存食をつくるシーンがありましたね。YouTubeにあった切り取り動画を見ながら、「そうそう!冷やしてツルンとそのまま食べるのも最高だよね」と毎回、画面に向かってひとりごとを言いそうになります。

スーパーに行くと一年中買えるけど、おいしい時期に、たくさんもらったり、お買い得になった完熟トマトを見つけたらぜひ保存食つくりがおすすめです。

トマトに限らず、便利な食品やグローバルな流通の裏に、誰かの犠牲が出ていないかどうか、プロセスや背景を気にかけることでこの社会がより良い世界に近づくと信じています。

ちなみに、スーパーでよく値切られてるもののひとつに「きのこ」がありますが、きのこも保存食にするととても便利ですよね。最も簡単に救出する方法は、天気のいい時に干しておくこと。

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えのきは本当にいい出汁が出る上に、安価で本当に偉い。さらにちょっと干して乾燥させると、さらに良い出汁が出て、普段のお味噌汁に高級感が出ます。

あとは大好きな白崎茶会のレシピをアレンジした保存食もよく作ります。きのこを濃い目の味付けで炒めておくものなのですが、お湯に溶けばスープになり、そのままパスタソースにしたり、チャーハンの具にしたり、と重宝するんです。

トマト同様、旬のおいしい時期、もしくは、値切り品になってる時は超絶おすすめです。(きのこって、とんでもなく安くなってるときがあるんですよね)作り方はざっくりこんな感じ。

<材料>
・えのき、えりんぎ、舞茸、マッシュルームなど手に入るきのこの2〜3種類。全部合わせて400〜500gくらい。2〜3cmくらいに刻んでおく。
・炒め用の油 大さじ2〜3
・にんにく 2〜3片をみじん切り
*調味料
 日本酒 大さじ3〜4
 醤油 大さじ2
 海塩 大さじ1
<作り方>
1. 大きいフライパンでにんにくを炒めて
2. 刻んだきのこを3〜4回に分けながら加えて炒める
3. そのまま全体量が1/3くらいに減るまで炒め続ける(たぶん10分前後)
4. *調味料を加えて、水分が大体なくなるまで煮詰める

できあがり。

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もちろん食材は手に入った時にすぐ味わえるのが一番ですが、なかなかそうもいかない時など、ほんの少しだけ手をかけて、時間差で旬の味を楽しむのも幸せです。この秋もしっかり季節を味わって、心身労っていきましょう。

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