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和辻哲郎の「風土」に共感

和辻哲郎の「風土」を読むと、そうだそうだと深く頷いてしまいます。風土が人間の精神構造に影響を与えるということには全く同感します。

和辻はヨーロッパでのフィールドワークをもとに同書を書き記しました。副題が、「人間学的考察」ですが、よく捉えていると思います。

風土と人間学、これは西洋にいかずとも、日本の風土でも同じようなことが言えるのではないでしょうか。東北と九州、日本海側と太平洋側、とか。

私が気に留めた本の記述をいくつか記載しますが、以前記事として書いたことも貼り付けます。

「ヨーロッパには雑草がない」

「西洋の寒さは人間を萎縮せしめるよりもしろ溌剌たらしめる。それは人間の自発的な力を内より引き出し、寒さに現われた自然の征服に向かわしめ、そうしてそれを従順な自然たらしめている」

「虫の音が聞こえぬということは、夏の夜を寂寞たらしめる」

「西欧の陰鬱とは直接には日光が乏しいことである。それは特に冬の半年において顕著に見られる」

「我々にとって春が来夏が来るといことは(中略)西欧人にとってはそれはまず第一に再び日光を迎えるという意味をもっている」

「風土 和辻哲郎 岩波文庫」

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