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【BL二次小説(R18)】 恋する王子様⑱
荒北は説明を続ける。
「……オレの任務は、オメーとマリア姫の結婚を無事に成功させること。……これが、プランAだ」
「プランBは……?」
核心を尋ねる新開。
「プランBは……」
荒北は新開から目を逸らして答える。
「もし、何らかの要因で王子が結婚を拒み、プランAの遂行が困難になった場合……。隼人王子を暗殺し、悠人王子を第一王子にする……」
それを聞いて新開は疑問をぶつける。
「最初から悠人と結婚させるんじゃダメなのか?マリア王女のことを気に入ってるんだぜ?悠人なら、絶対に幸せにしてくれる」
荒北は即答する。
「第一王子と第ニ王子じゃ全く効力が違う。後の王位継承権の低い第ニ王子では意味がねェんだ」
更に新開は問う。
「なにも結婚までしなくたって、同盟を組んで、その侵攻国をやっつけるんじゃダメなのか?」
それに対し、荒北はなるべく解り易く説明する。
「それじゃ単に一時的な解決だ。ほとぼり冷めたらまた侵攻される。一度侵攻を許した国は、今度は別の国にも狙われる。それだけ小国ってのァ、舐められンだよ。だから、永久的な保証が必要なんだ。大国と血縁になって今後もずっと侵攻されないようにしなくちゃいけねェんだ」
「……」
反論出来なくなる新開。
「オレぁ……」
荒北の瞳から涙がこぼれた。
「もう、これ以上……うちの国民や仲間に犠牲者を出したくねェ……」
荒北は床に膝と手をつき、新開に向かって頭を下げた。
「靖友……!」
「これで解っただろ!新開!頼む!マリア姫と結婚してくれ!……オレの国を!オレの国を助けてくれよ!!」
床に頭を擦り付け、涙を流して新開に懇願する荒北。
「……」
その震える肩を、新開は呆然と見下ろした ──。