【BL二次小説(R18)】 恋する王子様⑩
新開は荒北を強く抱き締め、荒々しく舌を絡める。
「ン……ふ」
呼吸する間も与えられず、舌を吸われて頭がクラクラしてくる荒北。
気が付いたらいつの間にか草の上に押し倒されていた。
全身にのし掛かる新開の重み。
その圧、温もり、香りが荒北をゾクゾクとさせる。
「靖友……おめさんが欲しい……。おめさんを……抱きたい」
「……!」
唇を離し、荒い呼吸で新開が言う。
「いいかい……?」
新開の柔らかな髪が荒北の顔にかかる。
「オレが欲しいなら……そう命令すればいい」
荒北は新開の目を見つめて言った。
「意地悪だな……。命令しておめさんを手に入れたって、嬉しくもなんともないよ」
新開は荒北のレザースーツのジッパーを首から胸にかけてゆっくり降ろす。
「おめさんの意思を尊重するよ。嫌なら嫌って言ってくれ。すぐにやめるから……」
「……」
荒北は答えない。
新開の右手がレザースーツの中に入って来る。
「ゥ!」
左胸に触れられ、全身がピクッと反応する荒北。
顔を赤く染めて目を閉じる。
「……拒否……しないんだね?」
「……」
新開は荒北の首筋に吸い付いた。
「アゥ!」
レザースーツを肩まで開き、鎖骨に舌を這わせる。
「ハ……ァ……」
初めて体験する快感に、荒北は逆らえなかった。
「靖友……好きだ。……初めて会った時から……こうなる予感がしてた……」
「新開……」
新開は自分の皮ジャンの前をはだけ、荒北のレザースーツもジッパーを全て開いた。
唇を荒北の鎖骨から胸へ、ヘソへ、そして下腹部へと降ろしていく。
「ア……アアッ!」
ビクン!と全身が跳ねる荒北。
「靖友……靖友……!」
「ンアッ……アァァーー……」
国境を見下ろしながら、二人は初めての夜を過ごした ──。
翌日。
「荒北先生」
荒北が講義のため城を訪れると、執事に呼び止められた。
「ありがとうございます」
「ハイ?」
執事は笑顔で荒北に礼を言う。
「荒北先生がいらしてから、隼人王子はとても明るくなりました。以前は嫌がっていた公務に進んで参加されるようにも。荒北先生のおかげです。王も喜ばれております」
「ア……それは……光栄です」
授業の効果があったのは嬉しいが、ゆうべあんな関係になってしまい、後ろめたい。
礼なんか言われ申し訳ない気持ちになる。
荒北は執事と目を合わせることが出来ず、しどろもどろに応対するしかなかった。
「それでですね。来週から悠人王子にも授業を是非にと」
「エエ?」