【BL二次小説(R18)】 想い出をください③終
バン!
オレは靖友の部屋のドアを乱暴に開けた。
「!」
机に向かっていた靖友が振り向く。
受験勉強中だったようだ。
オレはズンズンと歩み寄り、靖友の目前に立った。
「説明してくれ!ゆうべのこと!」
「……」
靖友は首の後ろを掻きながら、面倒臭そうに口を開いた。
「……いいじゃねェか。1回ぐらい。減るモンじゃなし」
「減っ……!」
オレはショックを受けて怒鳴る。
「減ったよ!喪失したよ!オレのDT!どうしてくれるんだよ!」
「エ……?」
靖友はビックリしている。
「DT?嘘だろ?」
「嘘じゃねーよ!初体験だったんだよ!」
オレは靖友の両肩を掴み、前後に揺らしながら叫んだ。
「そりゃァ……悪かった……オレぁてっきり……」
「靖友!」
靖友の顔を睨み付け、オレは気になっていたことを尋ねた。
「おめさん……いつも他の野郎達とあんなことしてんのか」
「!……ンなワケあるか!オレぁそんなビッチじゃねェ!オレだって初めてだったヨ!」
靖友はすぐに否定した。
「……じゃあ……どうして……」
オレはホッとして、息を整える。
靖友は静かに語り出した。
「……受験勉強でストレス溜まりまくっててヨ……。発散したくて……。マジ、すまね」
「オレならヤりまくってるからいいだろうって思ったのか」
「いや、そういうワケじゃねェんだが……。ヤりてェって思う時、いつもオメーの顔ばかり浮かぶンだ……」
「え……?」
「もう、卒業だしヨ。オメーに会えなくなるんだって思ったら……」
「靖友……」
それって……。
「最後に……想い出が欲しくて……」
靖友はそう言うと、瞳からポロリと涙をこぼした。
「靖友……!」
「すまねェ新開……すまねェ」
ポロポロと膝の上に落ちる涙。
ギュッ!!
「!」
オレは靖友を椅子ごと抱き締めた。
「もう会えないなんてことない!会うよ!しょっちゅう会いに行くよ!」
「エ……」
「1回限りの想い出なんかにさせるかよ!靖友!何度もヤろうぜ!何度も何度も!これからもずっと!」
「新開……」
オレは腕を離し、両手で靖友の頬を包んだ。
「嫌だなんて言わせねーからな。おめさんにはオレのDT奪った責任とってもらうぜ」
「ウ……」
オレは靖友の唇にそっとキスをした。
「ゆうべのアレ……良過ぎて忘れられねぇよ。もう一度シたい……」
「……ンじゃ、今からすっか?」
「うん。今度はオレが上乗っていい?」
オレ達は唇を重ね、もつれ合うようにベッドへ雪崩れ込んだ。
靖友……。
卒業しても、その後も、ずっとずっと、一緒に居ような ──。
おしまい