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Perfect Blue

情報社会を担ってきた青い鳥が
コンドームのパッケージみたいな物に変わったね
チルチルミチル青い鳥
私の幸せの青い鳥
隣の芝生も鳥も青春も
サムシングブルーなんて習慣もあった
幸福が青いのは何でなんだろ
母なる海とか言われたら笑っちゃうかも

感情に色が付くとしたら
私の中での幸せは何色なんだろう
そもそも自分と他人とでは
同じ物を見ていても違う色に見えている筈
無理な擦り合わせや開示で濁ってしまう位なら
私だけの宝物で居て欲しいなんてふんわり思う
鎖国体制著しい良くないね
でも分かってくれる人だけ分かれば良いって
それだけはいつも思っているし
願っている

完璧な感情の共有
なんて物について思考を巡らせる

これだけ技術が発達して
掌にはマイクロチップ
GPSで常に監視されて
国民一人一人には番号が付与される時代
そろそろ完璧な自分のトレースなんて事を
考える人が居ても良さそうだ

別れ話の時本当は言えなかった事
親と喧嘩した時冷たい言葉とは裏腹に思っていた感謝
もう会えなくなってしまった人への想い
小さな家族を迎えた時の不安
初めて好きだと言われた時泣いちゃったけど本当は

いつか永遠を誓う指輪の様に
私の気持ちをインプットした媒体にリボンを巻いて
文字通り裸で向き合う時代なんて物が
来るのかもしれないね
私の魂のいちばん美味しいところを
君にあげるよ

0か100かの人間だから
言い訳みたいに繰り返してる私の性分
足りない人間だなんて良く分かってるから
理想の自分がどんどん聖人君主みたいに成っていく
自分でも追いつけないほどに
高い所から私を見下ろしている

最近の日差しも相待って
ジリジリと体を灼いていく
劣等とか焦燥とか喪失とか
訳の分からない気持ち悪い物が
ゴーストみたいに付き纏ってくる
そう言えば幽霊も青白い
青は幸福でも絶望でもあったみたいだ
危うく騙される所だったよ

いつか全部愛して完璧に成りたい
完成したら其処が死場所だけれど
其れ迄はみっともないこの体で
引き摺るように生きて行くしかないね
人間らしいなんて綺麗な言葉じゃ騙せない程に
真綿で首が締まってきた

perfect blue

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