四十肩・五十肩の兆候を知る
四十肩・五十肩の痛みが出るとき、決定的な変化がある。
その変化が出たからすぐに四十肩・五十肩になるわけではないが、その変化がない人で痛みを出した方を見たことがない。
実は、年齢には関係なく20歳前後でも同じような痛みが出る。
その時も共通している変化が肩に存在する。
逆にいえば、40歳や50歳にならなくても痛みは出るのである。
鎖骨を肩の先端に向かってなぞっていくと、肩の先端に至る前に鎖骨が太くなるような場所がある。
その前と後ろ側に注目が必要である。
鎖骨が太くなったような場所までなぞってきたら、指を前側に落とす。
するとそこにクボミが感じられるのが普通である。
くぼみがあれば正常。くぼみが無ければ巻き肩になっている証拠である。
同じく、鎖骨が太く感じられるところまでなぞってきたら、指を後ろに落とす。
するとそこには後ろ側から横にかけて楕円状の隙間がある。
この隙間が十分あるほど正常で、狭くなるほどリスクが大きい。
この前後のくぼみと隙間が存在するかしないかで、四十肩・五十肩の危険度が決まる。
この前後のくぼみと隙間が十分に存在している人で腕が上がらなくなった人を見たことがない。
前のくぼみは、巻き肩の証明ともいえる状態である。
後ろの隙間は、肩をすくめる動きをすることで無くなる傾向になり、巻き肩で肩をすくめることでさらに強力になくなる。
つまり、猫背で巻き肩の人が最高にリスクを抱えている。
特に後ろの隙間に関しては、棘上筋といって、肩甲骨と腕の骨を結んで腕を横から上げるための筋肉の通り道である。
ここが狭くなることは、筋肉の活動のスペースを失うことで働きにくくなるうえに、巻き肩になって腕の骨が前に巻き込むことで、一直線に存在するはずの棘上筋がくの字に曲げられて存在することになる。
単純に考えても、一直線に筋肉が収縮するのと、くの字に曲げられて収縮するのでは無理があることは想像できるであろう。
こんな使い方をされているのも知らずに、体操やトレーニングをして鍛えようとする人が多い。
無理している筋肉に、さらに無理して動かすことの残酷さを感じるべきである。
巻き肩を改善させることが、肩をすくめる動きも無くすことにつながり、最高の改善法なのだが、巻き肩は一般的にいわれているほど簡単に改善することは難しい。
適切に体を使うことが重要である。