“町蕎麦”とは?
町場の蕎麦屋さん「町蕎麦」を巡り、その魅力をアーカイブしている「町蕎麦を尊ぶ会」。このnoteでは町蕎麦にまつわるアレやコレを綴っていきます。
そもそも、町蕎麦ってなによ? が、本稿のテーマです。
町蕎麦とはなんぞや?
聞き慣れない方が多いことでしょう。
それもそのはず、“町蕎麦”は「町蕎麦を尊ぶ会」を発足するにあたり生み出した造語です。
と言ってしまっては、身も蓋もありませんが、
新たな言葉を作り出したのは、
令和を迎えた今、
町場にある蕎麦屋さんを括る言葉が見当たらなかったからです。
ひと昔前であれば、「町蕎麦」という言葉は必要なかったのかも知れません。
しかし、ファストフードとしての立ち喰い蕎麦店やミシュランに掲載されるような美食蕎麦専門店が登場すると、それまで当たり前のように「蕎麦屋」と呼ばれていた町場の蕎麦屋さんを的確に言い表す言葉が必要に思えてならなかったのです。
町蕎麦の姿
それは蕎麦専門店とも、立ち喰い蕎麦店とも異なる、町に根ざしたワンダーランド。
品書きには”かけ”や”もり”をはじめとした蕎麦メニューが並びますが、うどんに冷麦、きしめんのみならず、ちゃんぽんから中華そばまでを取り揃える店も少なくありません。
ひいては、蕎麦に使う出汁を活かしたカツ丼や開花丼、さらにカレー丼など、裾野の広い品書きに驚かされること多々。
また、”蕎麦前”という言葉がある通り、酒と、その酒に合わせるアテを用意している店がほとんどです。
町蕎麦が果たしてきた役割
町蕎麦では、地域の方が”いつもの”を楽しんだり、
今日は蕎麦って気分じゃないな、となれば中華を楽しむことができ、
ランチ時には満足できるセットの注文が殺到し、
左党が軽く酒を楽しんだりと、様々な利用がなされています。
長い年月にわたり訪れる人々の多様なニーズに順応してきた空間、
それが町蕎麦なのです。
町蕎麦の定義とは?
いささか烏滸がましいことではありますが、
強いて、
町に根ざす町蕎麦の共通点を見出すならば、
1)家族経営(ないし、その延長線)
2)出前をしている(ないし、していた)
3)品書きに「カレー南蛮」がある
ではないかと思うのです。
この3要素を備えた店は、
例外なく“町蕎麦”として私たちを楽しませてくれるのです。
さぁ、今日も町蕎麦へ参りますか。
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町蕎麦の景色をアーカイブするInstagramはこちら
https://www.instagram.com/machisoba_respect/
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