マガジンのカバー画像

ごはん映画

68
映画に出てくる食べ物が大好きです。そんな「ごはん映画」について書いた記事をまとめています。
運営しているクリエイター

#映画感想

映画に出てくる食事はおもしろい

映画に出てくる食べ物が好きで「ごはん映画」として集めています。 収集するのは、食をテーマにしている映画だけではなく、1カットだけ食事や飲み物が登場する作品も対象にしています。そのような収集範囲にしていると、映画を観るときは登場人物たちが何を作っているのか、何を食べて飲んでいるのか、とても気になってしまいます。 逆に全く食べ物が登場しない映画もあります。それはそれでおもしろくて、作り手にとってその作品での、 ・「食」の重要度 ・「食」が担う役割 ・「食」で表現したいこと(逆

2023年上半期映画の振り返りと、登場するごはんについて

ここ最近は仕事と語学勉強が忙しく、あまり映画を観れておらずnoteも書いてない日々が続いていました。仕事の後に授業を受けて、予習や復習をしているとあっという間に1日が終わってしまいます😣 今日は2023年上半期に鑑賞した映画を少しだけメモします✍️ 2023年上半期に鑑賞したお気に入り作品『雄獅少年/ライオン少年』わたしの2023年上半期ベスト1は、中国のアニメーション作品『雄獅少年/ライオン少年』でした。中国の伝統芸能である獅子舞の演者を夢見る少年たちの姿を描いた長編アニ

人生はまるでカセットのよう|『プアン/友だちと呼ばせて』

ここ最近、タイのカルチャーがおもしろい。映画もドラマも音楽も話題になることが多く、丁寧に発信してくれる方々の情報をチェックして、新しい文化を知ることができて、とにかく嬉しい。 タイ文学とタイポップスに入門する 今年5月に、下北沢BONUS TRACKで開催された「タイポップカルチャーマーケット vol.0」では、タイ文学にまつわるZINEを購入しました。日本語に翻訳されたことのない作品の冒頭を紹介する冊子で、タイ文学の雰囲気を少し知ることができます。 TBSラジオ「アフ

理解することが優しさの第一歩|イスラエル映画『靴ひも』

映画に登場するごはんが好きで、このnoteではごはん映画を中心にメモをしていますが、もうひとつ好きな映画の見方があります。それは、いろんな国の映画を観ること! もともとミニシアター系の作品が好きということもあり、以前はレンタルビデオ店でDVDパッケージの後ろの「製作国」の表記を見て、知らない国の映画であればあるほど嬉しく、まだ観たことのない国の映画を探してよく鑑賞していました。 いまはサブスクサービスで映画を観ていますが、久しぶりに多国籍な作品を鑑賞したのでメモしようと思いま

空気と音と湿気でベトナムの美しさを感じる映画|『MONSOON モンスーン』

海外に行く経験は少ないながら、社会人になって年に一回は海外旅行をするのが夢であり目標でした。台湾やシンガポールなど行きやすいアジア国へ旅行したあと、次はハワイに行こうかなぁと計画して、はや2年。海外はおろか国内旅行や実家への帰省すら、はばかられる日々に戻ってしまいました。 2019年の旅行では当初ベトナムを検討していましたが、雨季の季節だったためシンガポール旅行に変更しました。有料記事にしていますが、シンガポール旅行の写真はこちらに少し掲載しています🇸🇬 ベトナムはいつか

なんか自分も仕事がんばろう!と思えた映画|『ハケンアニメ!』

5月に鑑賞した作品の振り返り記事を書いていたら、『ハケンアニメ!』の感想がとても長くなりそうだったので、急遽この作品単体でnoteを書きはじめました。それくらいアツイ作品なんです。 アニメ界を舞台とした素晴らしいお仕事映画でした! 吉岡里帆さん演じる新人監督と、中村倫也さん演じる天才監督、そして両社のプロデューサーとそれぞれ仕事へのアプローチの仕方が異なり、「うおー!なんか仕事のやる気出てきた!自分の好きなことへの想い再熱してきた!」という頭の中が動き出す、そんな気持ちにさ

映画史に残るほど、忌々しくてものすごいパワーを持ったごはんシーン|『三姉妹』

韓国映画『三姉妹』を鑑賞しました。 ポスターから感じる優しい雰囲気とは裏腹に、思っていた以上にヘビーで忌々しくて、だからこそ愛おしくて、ものすごいパワーを持った作品でした。 ドラマ「愛の不時着」のキム・ソニョン、「オアシス」のムン・ソリ、「ベテラン」のチャン・ユンジュが三姉妹を演じ、韓国の主要映画祭で多数の女優賞を受賞した作品。 三姉妹を演じる俳優陣の演技が凄まじく、映画終盤に向けて心の傷や苦しみを徐々にむき出していく様は圧巻でした。本当にすごかった…! 大丈夫なふり、

好きなことがあるって最強だ!|『メタモルフォーゼの縁側』

ふだんは洋画を観ることが多いのですが、最近は邦画もたくさん観に行くようになって、素敵な作品に多く出会えています。最近鑑賞した『メタモルフォーゼの縁側』も心温まる優しい物語で、とても面白かったです! そして、ごはんシーンもたくさん登場しました! 自分の好きなものについて話せる喜び 本作は、ボーイズラブ漫画をきっかけに繋がった女子高生と老婦人の交流を描いた人間ドラマ。 机の下の段ボールに漫画を隠し、こっそり楽しんでいた女子高生うららと、美しい表紙にひかれて初めてBL漫画を手に

『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の実家ごはんが気になる

noteでは映画に登場するごはんついての記事を書いています。ごはん映画記事をまとめているマガジンはこちら。 U-NEXTで鑑賞した『先生、私の隣に座っていただけませんか?』が個人的にすごく楽しめて、しかもごはんがたくさん登場した映画だったのでメモしようと思います。 現実と漫画の境界が曖昧になっていく 漫画家・佐和子は、夫・俊夫と自分の編集担当・千佳が不倫していることを知り、新作漫画のネタにする。こっそりネームを読み進める俊夫だが、やがて物語は、佐和子と自動車教習所の先生

『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』は映画を愛する全ての人へ向けた優しい作品

現在公開中、チャン・イーモウ監督作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』を観に行きました。 巨匠チャン・イーモウ監督作品ですが、本作では『HERO』や『LOVERS』で魅せた武闘アクションなどはなく、1969年、文化大革命下の激動の中国を舞台に、映画をめぐる様々な想い、不器用さ、優しさ、時代に翻弄される戸惑いを繊細に描いたヒューマンドラマです。 造反派に抵抗したことで強制労働所送りになった男は、映画の本編前に流れるニュースフィルムに娘の姿が1秒だけ映っていることを知り、強

夜中に仕事をするときは、カップ焼きそばが心強い(映画の中のごはん)

わたしはスナックやハンバーガーなどのジャンクフードはそこまで食べないのですが、カップ麺は好きで、コンビニで新しい味が出るたびに、とりあえず一個は買って食べてみるということをよくしています。 カップのラーメンやうどんも好きですが、無性に食べたくなるのはカップ焼きそば。UFOや一平ちゃん、モッチッチあたりをよく食べます。 なぜ急にカップ焼きそばについて書いているかというと、最近鑑賞した邦画『死刑にいたる病』と『鳩の撃退法』の2本で、同じようなシチュエーションでカップ焼きそばが

『カモン カモン』は宝物のように美しく優しい映画(食事シーンも愛おしい)

楽しみにしていた、マイク・ミルズ監督『カモン カモン』を観に行きました。勝手にすごく期待をしていたのですが、それを超えるくらいとても良い作品でした。 自分の「人生ベスト映画ランキング」は、その時の気分で変動したりするのですが、人生の中で躓いたり、傷ついたり、疲れた時には、きっとこの映画を思い出す、そんな大切な一本になったと思います。 モノクロの世界は面白い 今年に入って『エル プラネタ』『ベルファスト』『パリ13区』『カモン カモン』とモノクロ作品が続いており、よい流れだ

2022年3月に観た映画と、登場するごはんについて(劇場編)

noteでは映画に登場するごはんついての記事を書いています。ごはん映画記事をまとめているマガジンはこちら。 そして今年は毎月、劇場とおうちで観た映画の振り返りをしています。メモはこちらのマガジンへ。 今日は3月に劇場で観た映画を振り返ります。 ▼3月に劇場で観た新作映画 『THE BATMAN-ザ・バットマン-』 今回のバッドマン、とっても面白かったです!ストーリーの暗さや上映時間の長さなど話題になりましたが、アメコミ作品と一線を画す、探偵ノワールとして謎解きをしてい

大胆で繊細なラブストーリー|『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』

2022年4月8日に公開された『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』というフランス映画を一足早く、オンライン試写で鑑賞させていただいていました。 第93回アカデミー賞国際長編映画賞にフランス代表作として出品された作品で、高齢女性たちの愛をサスペンスフルに描いたドラマです。 南仏モンペリエに建つ眺めの良いアパルトマンの最上階。向かい合う部屋を行き来するニナとマドレーヌは世間的には仲の良い隣人ですが、実際は長年愛し合う恋人同士でした。 2人は部屋を売ったお金でローマへ移住する計画を