理解することが優しさの第一歩|イスラエル映画『靴ひも』
映画に登場するごはんが好きで、このnoteではごはん映画を中心にメモをしていますが、もうひとつ好きな映画の見方があります。それは、いろんな国の映画を観ること!
もともとミニシアター系の作品が好きということもあり、以前はレンタルビデオ店でDVDパッケージの後ろの「製作国」の表記を見て、知らない国の映画であればあるほど嬉しく、まだ観たことのない国の映画を探してよく鑑賞していました。
いまはサブスクサービスで映画を観ていますが、久しぶりに多国籍な作品を鑑賞したのでメモしようと思います。
イスラエル映画『靴ひも』を鑑賞しました
2020年に劇場公開されたイスラエルの作品を、Amazonプライムで鑑賞しました🇮🇱 母の急死により、約30年ぶりに一緒に暮らすことになった、家族を捨てた父と発達障害のある息子が、本当の親子関係を築くまでを描くヒューマンドラマ。
ソーシャルワーカーより、息子カディが入所する施設が見つかるまでの間、一緒に暮らしてほしいと言われた父親ルーベン。誰に対しても明るく歌が大好きなガディは、コミュニケーションはフレンドリーに取れるけれど、苦手なこともたくさんある。
父ルーベンは最初こそ一緒に住むことになったガディにどう接すればいいのか戸惑いますが、まわりの友人たちにも支えられ、少しずつ打ち解けていきます。そして一緒に暮らしていくため、特別給付金申請の面接も受けます。その面接では特別な支援が必要であるとアピールするため、ガディは靴ひもを結べないふりをします。
しかしそんな中、ルーベンが末期の腎不全と診断され、人工透析が必要な状態に。ガディがドナー提供者として手を挙げるも、そこには発達障害ということである壁が立ちはだかります。
公式サイトを見ると、監督自身も特別支援を必要とする息子さんがいるそうです。また発達障害を持つお子さんが父親のドナーになろうとしたが、移植に関するプロセスの中で却下されたという問題も現実にあった話だそう。
(映画の中では、発達障害の息子がドナー提供に対しての危険性などを本当に理解しているのか、確認をする面接がありました)
映画を観ているとガディの意思が伝わらないもどかしさを感じましたが、たしかにどんな障害にもグラデーションがあり、ドナー提供のプロセスが厳しくなるのも理解はできます。この問題はとっても難しいことなんだと、映画を通して初めて知ることができました。
父ルーベンは、ガディがドナー提供者になることを愛ゆえに拒みます。これまでの二人の心の変化を観てきたので、心がキュッと締め付けられました。
本作は監督の個人的にも身近なテーマということもあり、とても温くて優しい作品になっているのかなと思います。
また映画の中でガディが入居しようとする施設(映画では村と呼ばれる)が登場しますが、監督の息子さんが入居しているところも世界になかなかないほどの高い水準を誇っている施設だそうです。(参照記事)素晴らしいな。
特別な支援が必要がないとしても、どんな人にも困難はある。そんなとき、この映画の登場人物たちのように理解して優しさを持ちたい。そんな気持ちになった良い映画でした。
▼▼『靴ひも』に登場するごはん▼▼
本作でルーベンを自分のお父さんのように慕うリタのレストランが登場します。皆が集う食堂になっており、ここでの食事シーンが何度か描かれました。
クスクス、トマトやキュウリのモロッカンサラダのようなものが見えました。チキンのような肉もあったのかな?野菜も豊富ですごく美味しそう!
レストランでの食事はワンプレートのように一皿にたくさんのおかずが乗っているのですが、ガディは料理同士がくっついていると嫌というこだわりがあるので別皿で用意してもらいます。
イスラエル料理を調べてみると、イスラエル料理は多国料理のミックスで、中東料理、地中海料理、宗教に関する料理の大きく3つに分けられるそうです。
イスラエル料理といえば、ひよこ豆のペースト「フムス」、潰した豆を香辛料や野菜と混ぜて揚げた一口サイズのコロッケ「ファラフェル」、トマトソースで卵を煮込んだ「シャクシューカ」などがありますが、調べていると、香辛料がふわっと香る、ふだん食べ慣れない多国籍な料理が食べたくなってきました!
イスラエル映画は幅が広くておもしろい!
イスラエル映画についてもラインナップを調べてみると、何本か鑑賞したことのある作品がありました。
ほのぼのしたオフビートな作品から、イスラムの自爆テロを描くハードな作品まで、イスラエル映画の幅の広さを感じることができます。以前鑑賞しておもしろかった作品をメモしておきます。
『もうひとりの息子』はフランス映画ですが、イスラエルとパレスチナを舞台にした作品でした。
まだまだ観れてない作品もたくさんあるので、これからもイスラエル映画をチェックしたいと思います!