なんか自分も仕事がんばろう!と思えた映画|『ハケンアニメ!』
5月に鑑賞した作品の振り返り記事を書いていたら、『ハケンアニメ!』の感想がとても長くなりそうだったので、急遽この作品単体でnoteを書きはじめました。それくらいアツイ作品なんです。
アニメ界を舞台とした素晴らしいお仕事映画でした!
吉岡里帆さん演じる新人監督と、中村倫也さん演じる天才監督、そして両社のプロデューサーとそれぞれ仕事へのアプローチの仕方が異なり、「うおー!なんか仕事のやる気出てきた!自分の好きなことへの想い再熱してきた!」という頭の中が動き出す、そんな気持ちにさせてくれます。
映画によっては働くことが嫌になる作品や、仕事以外にも大事なことがあるというメッセージを込めた作品もありますが、本作はお仕事も愛する人たちの真っ当な映画でした。
『フォードvsフェラーリ』で自分の役割をプロフェッショナルにこなす様を見て、また『映画大好きポンポさん』では自分の夢に向かって突き進む熱意を見て、同じような感想を持った記憶があります。
個人的にグッときたシーンは、新人の斎藤監督が時間がない中でやりたくない取材対応をさせられて、宣伝プロデューサーや制作デスクの方にブチ切れてしまったあと。今までならこういうシーンは、主人公が感情を爆発させてそこで終わる映画が多い印象ですが、本作ではプロデューサーの行城さんがトコトコやってきて、斎藤監督に「(取材についてきてくれた二人に)ちゃんとお礼をしましたか?」と言うんです。
そう!現実世界では映画のようにブチ切れたとしても、帰社してまた顔をあわせるし、明日からも一緒に仕事をしないといけないんです!プロデューサーの行城さんの真意は最後に分かりますが、このシーンはすごく良かったなぁと。
わたし自身はあまりアニメを見ないのですが、パートナーがアニメ業界に詳しいので、アニメ業界やアニメ制作について補足してもらいました。パンフに掲載されている、アニメーション評論家の藤津亮太さんのコラムにもあえて現実と違う演出にも触れられており勉強になりました。
尾野真千子さん演じる敏腕プロデューサーも、上層部と天才監督の間で板挟みになる苦悩に人間味を感じ、また「こういう人だからプロデューサーになれるんだ」という全仕事人が納得する行動に、「プロフェッショナル 仕事の流儀」を観ているような感動を覚えました。
原画を依頼する外部への会社への対応や、クリエイターに対して心から尊敬をしていることが伝わってきます。
あと本作では制作の都合上、作画監督や美術監督などの「監督ポジション」の方が数名登場しますが、実際の現場にはこのように映画に出てこない下っ端やバイトも頑張ってるはずなので、ぜひ未来の担い手にもエールを送りたい気持ちです。
▼▼『ハケンアニメ!』に登場するごはん▼▼
本作で印象的に登場するのは、コージーコーナーのエクレアでした。斎藤監督の好物はチョコエクレアなのですが、制作現場の差し入れでいつも食べ損ねてしまい、やっと食べれるシーンで手にするエクレアの味は……?ぜひ本編でご確認ください!