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くすぶって、輝いて
今日は私のお笑い愛が久々に爆発した回です。
〇実在の芸人がモデル
映画「くすぶりの狂騒曲」を観てきました。
これは、芸人(大宮セブン)をモチーフにした映画です。
実際に出演されているのは俳優さんですが、モデルは吉本興業に所属する実在の芸人さん。それがまたご本人そっくりで、驚き。興味深く拝見しました。
〇大宮セブンとは
吉本興業は、新宿、渋谷、など都内にいくつか劇場持っており、それぞれに所属芸人がいます。
それらから漏れてしまった7組(当時)が、埼玉県の大宮にある劇場の所属になりました。それが大宮セブンです。
現在では、マヂカルラブリー、すゑひろがりず、ジェラードン、囲碁将棋など、テレビでも見かける機会が多くなりましたが、結成当時の当時は全くそんなことなく…
島流しのような扱い、と映画で描かれていました。
それが“くすぶり“の由来です。
〇タモンズの物語
この中で主人公となるのが、実在する漫才師、タモンズです。
彼らは昨年の賞レースで結果を残し、着実に人気が出てきていますが、映画の舞台になった当時は、とても苦戦していたようです。
この映画の8割が、本当にあった彼らの話だとか。
フィクションがたった2割。
それを想像すると、くすぶりの時期はさぞかし辛かっただろうと泣けてくるほど苦悩が伝わってきました。
一方で、囲碁将棋の文田さんが「誰もがちょっとタモンズなんですよね」と話しているインタビューを読み、そうなのかもしれない。と腑に落ちたところもありました。
○くすぶりの正体
売れない芸人さんにとって、
人気者になるには、何が正解かわからない。
売れるための条件もわからない。
もがいて、もがいて、仲間に助けられて、また、もがいて。
「くすぶりの狂騒曲」とは、ピッタリなタイトルでありましたが、愛を込めていうなら、かなり失礼なタイトルだなぁ!笑、と。
本人達はただ辛い時期を「くすぶっていた」のではなく、その時のベストを選択し続け、一生懸命に生きていただけ。なんですよね。
くすぶろうとして生きてはいない、ということです。
数年後「あの時期は、くすぶっていた」と表現するからそうなるだけなんです。
○人生には捨てるところない
私自身にも、くすぶっていた時期がありました。
もしかしたら、今もくすぶっているのかもしれません。それはわかりません。
タモンズの大波さんが、この映画のインタビューで
「あの頃は本当に思い出したくないくらい辛い時期でしたが、こんな風な映画にしてもらえるなんて、くすぶって良かったです。人生には捨てるところがないんですね。」と答えていました。
人生には捨てるところがない、という独特な表現にグッときました。
これは、救いであり、過去の浄化であり、自分の人生への肯定感です。
仮に今くすぶっていても、捨てるところない人生なんですね。
くすぶり自体が輝きを放っているんです。
自分の人生を?くすぶりを?映画にしたらどうなるか。
そう思ったら面白そうじゃないですか。人生をより楽しめるかもしれません。
笑って泣ける映画。観て良かったです。
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