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あのとき断って本当によかった
断ることが、とても難しい状況ってありますよね。
それでも勇気を出して、あのとき断って本当によかった、と思う経験が私には一つあります。
ささいな風景、でも重要な風景。
今でも「よくぞ言った。よかったー」と繰り返し思い出します。
○先輩からの提案
それは当時、入ったばかりの会社で先輩の質問から始まりました。季節は秋。
先輩:「一人暮らし始めたばかりで、冬がすぐ来るのに、暖房どうするの?」
私:「特に、何も持っていません」
先輩:「暖房器具を持ってないの?」
私:「うーん、エアコンの暖房だけですね」
先輩:「じゃあ必要だよね!家にある電気ストーブ、1台余っているからあげるよ!明日持ってくるね」
私:「…ん?」
断ってよかった思い出とはこれです。
この先輩からの「うちの暖房器具どう?欲しくない?」の提案を断ったのです。
とても勇気が要りましたが、言ってみました。
私「・・・あ、いらないです」
○先輩の曇る顔
入ったばかりの会社。しかも先輩のご厚意。断るのは躊躇しました。
非常に伝えにくかったのですが、もう一度言いました。「私、その電気ストーブ要りません」と。
すると、先輩の顔がどんどん曇り、不機嫌になりました。
「え?」(私がわざわざあげると言ってるのに)
「断るの?」
「なんで?」となりました。周囲も「もらっておけば?」の若干圧力。
新人ゆえ、ここで「じゃあ、ありがたく…」となるのが当たり前の空気感でしたが、
それでも私は普通に「それ要らない」と思い、その心に、従ったまでです。
でも本当に、ヒヤヒヤしました。
○Noの意思表示が分岐点
先輩は、本当に私の冬支度を心配していたのか、ちょうど捨てようと思ってて処分に困ったから私に回そうとしたのかわかりません。
受け取らない意志を貫いた私に対し「は?」「あっそ」と最後は冷たくあしらいました。
本当にささいな風景ですが、私にとって重要な風景。
入って一週間で、先輩のありがたい申し出を断るなんて、絶対NGだと思ったのですが、今でも、あのとき電気ストーブをもらわなくて本当によかった!と思っています。
これは私にとって、ただの暖房器具の話ではなく、もっと重要で、
「この先、言いたいことを言える人間になれるのか」
「この先、言いたいことを言わない人間になるのか」
の分岐点ににいたように思います。
まるで私の心が生きるか死ぬか、それほど大事な意思表示でした。だから今でも、しょっちゅう思い出すのでしょう。
先輩の怖い顔が脳裏をよぎり、今でも思い出すだけで少しヒヤッとしますが「あのとき断ったのは正解だった!」と勇気を出したことを自画自賛しています。
あの分岐点で、こちらの選択をした自分で良かった、と思い出すのです。
◯嫌なことは断っていい
こんなふうに書いていますが、これほどまでに勇気が要る「断り」も相手は案外覚えていないのかもしれません。
一度断ってみると「あ、断っていいんだな」と学べることも多くあります。
*行きたくない飲み会への参加
*聞きたくない話(愚痴など)を聞き続ける
*やりたくないことを頼まれる
*働きたくない職場で働き続ける
こんなことも自分にとって重要な分岐点ならば、断っていいのです。
断る瞬間はとても勇気が要りますし、震え上がることもあります。
しかし必ず「あのとき断っておいて本当によかった!」と思う日がきます。
自分を大切にして“No“の意思表示をしていきましょう♡
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