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成年後見制度は「親亡き後」でも安心な制度になるはずが

相談支援専門員と個人事業主の二刀流マチパーです🦁

高齢者や身寄りのない人ななどの生活弱者に対し、「振り込め詐欺」や「ネット詐欺」など悪い人たちが生活弱者のお金を狙う事件が後を絶ちません。

私も障害のある人のご支援をしている立場ですので、だまされる人たちを多く見てきてます…

そこで、判断能力が病気等でなくなってしまった人達が悪い人たちに騙されないようお金を守り、「その人が安心して暮らしていけるよう」

法的に認められた家族や、第3者である専門家が「成年後見人制度」ができました。

この記事では、成年後見制度とは何か?から始まり、利用をしたけれど様々な問題もあるという話について書かれています。

この記事を読み終えることで、制度利用について、また、実際の利用や今後の成年後見制度に興味や関心を持ってくれるようになるとうれしいです。

「成年後見制度」とは何?

成年後見制度とは

知的や精神、認知症などのため、通帳の管理や身の回りの生活上のことが自分で判断できない人が、詐欺や犯罪などから身を守るため、第3者の人が財産を管理する制度のことをいいます

地域の相談支援専門員として働く私。

当事者の家族から「この子(息子や娘)を置いて先に死ぬわけにいかない」「少しでもこの子が将来お金に困らないように」と、親自身が質素倹約に励み、子どものために財産を残そうと、必死になっている姿をみてきました。

年を重ねる親御さんから見たら、だれがこの子の面倒を見るのか、だれに任せたらいいのか、心配で夜も安心して眠れない…と思いますよ

そこで「少しでも自分が役に立てることはないか」と思い、研修を受け「専門職後見人」の資格を取りました。

専門職後見人とは、司法書士や弁護士、社会福祉士等の専門家が後見人になることをいいます。

もし、本人の近い親族が高齢や病気などで後見人になれる適当な人材がみつからない場合は、専門職後見人という選択を積極的に検討してみるのが良いでしょう。

「親亡き後」も安心な「成年後見制度」と言われているはずが…

今の日本は「核家族(夫婦と子どもの世帯)」が一般的となり、親戚も親兄弟も遠方に住んでいたり、それぞれの家庭が共働きなどで忙しかったりします。

そのため、後見人(血縁関係が後見人になる場合「4親等以内」という規定がある)になる人が少ないのが現状です。

申し立てや後見人希望者は、家庭裁判所に出向き、担当者や当事者と面接する必要があります。

その他にも、申立書の記入や主治医の意見書などといった書類が必要となり

(弁護士や成年後見センターなどによる代理申し立ても可能だが、報酬が発生する)「面倒だ」と敬遠される場合もあります。

成年後見人制度を使ったらお金の自由がなくなった

被後見人の預貯金が1000万以上の場合、財産管理を行う人に監督人を付ける必要がありますが、余りにも理不尽な…成年後見制度が進まない理由が分かる気がする。

障害のある娘のために裁判所と闘い、命を落とした母親の無念🥲

↑この記事は、知的障害の娘さんを持つ母親が「親亡き後の安心」のために、家庭裁判所に成年後見人制度利用の申し立てを行った所、家庭裁判所が「面識が全くない弁護士が専門職後見人に」選任。

娘の将来のために貯めていた預貯金を家族から信託銀行に移したために「現在の楽しみ」である家族旅行や余暇などにお金が使えなくなったこと。

専門職後見人は娘に面談しないにも関わらず、後見人費用を娘の預貯金から支払っていることから、家族が不服申し立てを行いました。

その心労のために母親が心筋梗塞で亡くなってしまった…というものです。

成年後見制度が「真の親亡き後の安心」に繋がる制度となるため必要なこと

私自身「専門職後見人」研修は受けたものの、後見人として受任したのはそれから3年後でした。

研修を受け、実際に支援を行うとなると「仕事と家庭の両立」や、私自身の余暇の兼ね合いなど、色々なものが障壁となり、なかなか「私が後見人になりますので、ご家族は安心してください」と言えなかったので

受任するまでの3年間、後見人を受任している先輩の話を参考に、心の準備をしてきました。

後見人を受任するようになり、制度や周囲の無理解などにも日々戦いつつ、専門職後見人ならではの支援の充実さを日々実感しています。

これこそ「専門職の醍醐味」だと思ってます😀

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