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嶋田青磁
2019年3月11日 19:56
昨夜贈られた一輪の薔薇この連なる花弁がその目には何色に映るか あなたも知っているはずだ必ずしも薔薇が望まれた色をもって咲かないことを 聖堂でひとりぼくは祈った 願わくばそれが白薔薇であるようにと #詩 #散文詩 #文学 #哲学
2019年3月6日 12:52
砂粒の混じる風が頬を強く打ち、熱の籠もる痛みが唇を震わせた。草木の萌える土はなく、乾いた地の裂け目は暗く深い。とうの昔に枯れ果てた灌木にとまる黒々とした鴉(からす)の群れの、虚しい笑い声だけが残響するさまは、しかし現である。果てない荒野を歩みながら、わたしは外套の内にかくす青い星の存在を常に想った。「この仄青くかよわい光を、守ってゆかねばならないのだ。」唯一残された使命の断片と、傍若無人な風だけ