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同棲解消疑似体験

那覇の常宿に泊まり初めて約2週間。
帰る日までのカウントダウンが始まった。

2日も過ごせば自分の部屋と思えるほど居心地のいい宿なのだが、おかげで退去前は苦行が待っている。

滞在中に使用したキッチン用品や洗濯干しなどを、共用品置き場に戻す必要があり。

この作業がなかなかメンタルに堪えるのだ。

昨日何度かエレベーターでお会いした宿泊客の男性は本日チェックアウトするとのことで、滞在中に使った共用品を何度も往復して返却してた。

「これやってると切ないんですよね」「帰りたくないな……」一緒になる度にぼやく。

そうですよね……

数日後、同じ経験をするため他人事ではない。
先に出て行く旅人と、しばし切なさを共有し合う。

初めてこの宿に少し長めに滞在し、使った品々を共用スペースに何往復もして戻している時、これまで経験したことのない切なさを感じた。

この感覚って何だろうな?しっくりくる表現を考えてみたところ、出てきた答えが

同棲していた彼女の家から出ていく時の

きもち(未経験)


堪えがたし。


街を愛する。
土地を愛する。
土地で暮らす人との時間を愛する。
毎日の生活を愛する。
宿を愛する。
部屋を愛する。

宿猫を愛する。(超個人的)

その時間が、深さが増すほどに
別れは堪える。

そして、包み込むような愛に溢れた時間と経験を
与えてくれたこの街の全てに感謝するのだ。

いつも見守ってくれるフクギの大木
サガリバナと宿猫
集落の拝所
美しく咲く蓮の花
やちむんを焼いていた窯
街の夕暮れを見守る宿猫
亜熱帯植物が生き生き育つ宿の中庭
古い町並み




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