見出し画像

1年間冷水シャワーを続けた結果

冷水シャワーを1年間続けたら、風邪をひかなくなった!

年始というと、勉強やら筋トレやら規則正しい生活やら、人々の自己を改革しようとする信念がSNS上に溢れており、ちょっと煙たくなってくる。

1年前。2021年の1月も、新たな年へ意欲を燃やしスタートダッシュする人々を横目に、僕はミニスーパーファミコンで「パネルでポン」に熱中していたのだった。

だが、ふとしたきっかけで冷水シャワーを始めることになり、1年間続けてしまったので、その始終について書いていこう。

2021年1月14日。友人の青木君から、ヴィム・ホフ・メソッドについて聞いたのだった。彼は訪日メディアの会社を運営している男で人脈が広いこともあり、とにかく様々な情報を集めてきてはシェアしてくれる。真冬の公園の鉄棒で、2人で懸垂をしたあとに息を切らしながら彼が言った。

「ヴィム・ホフって知ってます?」

ヴィム・ホフは海外ではアイスマンとして有名なオランダ人である。氷の入ったプールに何時間も入ったり、裸で雪山に登ったりする超人だ。なぜそんなことができるかというと、ただ単に彼の身体が強かったわけではない。独特の呼吸法と冷水シャワーで何十年と鍛え上げた結果、常人では成し得ないパフォーマンスを発揮できるようになったのだ。

最初はふーん、と聞き流していたのだが、元々僕は銭湯で身体を温めたあとに入る水風呂が好きだったので、冷水シャワーはなんとなく自分に合ってるかもしれないと思い、始めてみることにした。

さて、実践。

前置きが長くなってしまったが、冷水シャワーという方法は僕にはしっくりきた。1日1度の、自分に課された厳しい訓練のようであり、日々にメリハリがついた。冷水を浴びる段取りは以下のような流れだ。

  • 1週目:温水シャワーの後に冷水シャワーを30秒

  • 2週目:温水シャワーの後に冷水シャワーを60秒

  • 3週目:温水シャワーの後に冷水シャワーを90秒

  • 4週目:温水シャワーの後に冷水シャワーを120秒

僕はずっと30~60秒で続けた。120秒できるに越したことはないが、とにかく無理をせず続けることにフォーカスした。

水を浴びるまであまり意識して来なかったが、冬の水道水は夏よりも段違いに冷たい。東京都水道局のHPを見ると、最も冷たいのは1月の8.4度、8月は26.9度と18度も差がある。

刺すような1月の冷水シャワーから始め、来る日も来る日も冷水を浴び続けた。最初の1か月がとにかく辛かったが、4月頃になると水温も上がり、さほど苦ではなくなった。時折、冷水を浴びることを忘れて風呂からそのまま出てしまったときなどは、一度来た服を脱いで冷水を浴びた。

いったい、こんなことをして何になるのか。何度そう思ったことだろう。
数か月が経っても、人生に対してやる気が漲るわけでもなく、特段健康になったわけでもなく、単調な日々が続いた。

だが、冬に差し掛かったきた11月、ふと気づいた。
今年は風邪をひいていない!

僕は例年2~3回は風邪をひく。しかも毎回こじらせて完治するまで2週間くらいかかってしまう。そのため、1年のうち少なくとも1か月は体調が悪かった。下手したら、免疫力が低かったためにコロナウイルスにも感染してしまったかもしれない。

しかし、2021年度は何となく怠い日などはあったものの、風邪をひくことは一度たりともなかった。これは僕にとって革命的な出来事だった。

それだけ?

そう思うかもしれない。

うん、今のところそれだけだ。

それ以外の効果があったかは正直わからない。健康になったわけでもなく、睡眠が深くなったわけでもなく、精神的に安定したわけでもない。

だが、この冷水シャワーは特に金がかかるわけでもなく、どこかへ行く必要もなく、誰でもその日から始められる。そして、物凄いポテンシャルを秘めている。

この話をいろんな友人にしても、真冬に冷水浴びるなんてアホだろ、と相手にしてもらえないので、悔しくてこのノートを書いたのであった。

最後にヴィム・ホフについて。

メディアでは、ヴィム・ホフが氷に入る姿ばかりが取り上げられがちだ。日本では、過去にイッテQというテレビ番組でイモトさんとも共演していた。それは彼の能力を広く世の中に広めるためのパフォーマンスであり、本質ではない。

彼の人生には大きな試練があった。彼には妻と4人の子供がいたが、ある日妻が建物の8階から飛び降り自殺してしまった。仕事もお金もない中で、彼は4人の子供を育てなければならなかった。苦境の中で、彼がなんとか平静を保ち続けられたのは、呼吸法と冷水トレーニングのお陰だった。

まだ日本語には翻訳されていないが、ヴィム・ホフのトレーニングだけではなく、彼の生涯について知りたい人はこの本がおすすめだ。


もちろん、人生の苦しい局面にある人間がみな、呼吸法と冷水トレーニングによって救われるわけではない。幼少期から常に自然を愛し、その中で育ってきたヴィム・ホフだからこそ、唯一無二のヴィム・ホフ・メソッド(WHM)を生み出せたのだろう。科学的な効果についてはヴィム・ホフの著書や他の記事でいくらでも述べられているので、ここでは割愛したい。


どうだろう、冷水浴びたくなっただろう?





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?