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紅我龍
2020年4月13日 22:20
傘に跳ねる雨の音。 この音を聞くと心まで弾んでくる。 僕は雨の日が好きだった。たいていの人は雨の日が嫌いらしい。じめじめする。髪が濡れる。寒い。などなどの理由で雨の日が嫌いな人が多いらしい。 僕が雨の日が好きな理由はいくつかある。 そのうちの一つが、雨の日は別の世界にいるみたいな感覚に陥れるということだ。 雨の音。空の色。町を歩く人々。それらすべてがいつもとは違う景色。 僕は異世界に来
2020年4月14日 17:27
もしもこの世に晴れと雨が存在するのなら、私は雨の方だろう。 晴れの日のようにキラキラとしたり、誰かを温めたり、人を笑顔にしたりすることは私にはできないと思っていた。あの人と出会うまでは……。 私はあの日。彼と出会ってしまった。決して交わることのないと思っていた彼と。
2020年4月15日 21:59
その音は私の胸を抉った。私の傷にどうしようもなく触れてくる。その音から耳を背ければいいのだろうけど、私はその音から耳を背けることができなかった。その場から離れることができなかった。 私は一歩を踏み出すことのできない人間だ。私は夢を諦めてしまった。だから、私の心をあの音は抉るのだ。私が夢見ていた場所。私がなりたかったもの。私はその景色を下から眺めることしかできなかった。 本当にそうだろうか。私
2020年4月16日 23:13
たった一節。私の心を惹きつけるにはそれだけで十分だった。彼女のピアノは私の心を魅了した。 疲れてる。私は疲れている。今にも叫びだしそうなくらいだ。 毎日、残業、残業、残業……。もう、嫌になるくらいだ。そんな時に彼女のピアノに出会った。彼女の音に出会った。