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タイムトラベル・半沢直樹
僕が本を読む理由が、またひとつ増えた。
いま、小説の『半沢直樹』を読んでいる。TVドラマで非常に有名になったこの作品は、原作のタイトルにその名前が入っていないので書店や図書館でわかりづらいと思うのだけれど。もともとは『オレたちバブル入行組』と言って、バブル期の銀行を舞台にした「オレバブ」シリーズと呼ばれている。
ちなみに、僕はドラマは観ていない。社会現象(?)にもなった「あの台詞」は、いちおう「土下座」とともに知っているていどだ。そんな僕でも、というかむしろ、余計な知識がないので新鮮なきもちで物語のおもしろさを楽しめている。
ただ、物語の中盤まですすむと、半沢直樹がどういう行動をとるのか、そして最後にはどうなるのか、必ずしもそのとおりになるわけではないのだけれど、正直に言ってだいたい想像がつく。
だれが悪役なのかは登場した瞬間にわかるし、たぶん今回も半沢直樹は苦労をするのだが、最後にはうまいこと“倍返し”して出世してくんだろうな、と。
それでも、最後の1ページをめくる(Kindleだけど)その瞬間まで高揚していられるのは、「半沢、よく言った!!」と、つい口から漏れ聞こえるほど、妙に心がスカッと晴れる描写が多いからだと思っている。既読の方や、ドラマを知っている方からすれば、「何をいまさら」という話だと思うが、僕の鼻息が荒いうちに書いておきたいと思った。
この小説、というかこの著者が書くものの大半のすごいところは、「文字を文字として読ませない筆力」だと思う。
この記事を書いている時点で、前掲した1巻目は読み終わり、2巻目『オレたち花のバブル組』とつづき、3巻目『ロスジェネの逆襲』を読んでいる途中だ。いや、“読む”というよりも、目に入る文字を“観ている”感覚がちかい。
中学生の頃の英語の授業で、先生が「英語は日本語に訳しながら読むのではなく、英語を英語のまま読めるようになってください」と言っていたことをふと思い出した。今日、ようやくその意味がわかった気がする。
例外はあるものの、必ずしも小説に「謎」や「オチ」はいらない。むしろこういうエンタメ小説においては、綿密な下調べ(著者の池井戸潤さんは元銀行員なので、調べるというより自身の経験を掘り起こしているのかもしれない)と、読む人をわくわくさせる筆力だけがものを言う。
そして、僕たちが暮らすこの世界も、どちらかというとそういうものだ。「しっかりと勉強して知識をつけて、人や社会の役にたつ人になりなさい」これも子どもの頃に学校で教わった。
小説からは、ほんとうにいろいろなことを学べる。そして、思わぬかたちで懐古して、子どもの頃を振り返るきっかけになった。
過去と未来を行ったりきたりと、妙に不思議なきもちでこの記事を書き終える。
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